『アルカーイダがサウジ軍と共闘』

2020年9月 5日

 

 イスラム原理主義のアルカーイダは、アフガニスタンで有名になり、そのリーダーはイエメン系サウジアラビア人ウサマーマ・ビン・ラーデンといわれていた。一時期、アルカーイダは史上最も強力なイスラム原理主義組織、といわれていたのだが、その後、アメリカの裏からの支援がなくなると、一気に姿を消した感じになっていた。

 しかし、アルカーイダはその後シリアに入り込み、一定の影響力を維持し続けてきていた。加えて、アルカーイダはマグレブのアルカーイダ、湾岸のアルカーイダ、イエメンのアルカーイダと分散し、各地で細々とではあるが、活動を展開してきている。

 一時期は、アメリカがアルカーイダを敵視している、ということで湾岸諸国も、アルカーだとの関係は途絶えていたのだが、ここに来て、サウジアラビア政府がアルカーイダを傭兵として使う動きが、始まったと報じられている。

 サウジアラビアはイエメン介入の戦闘を、既に5年ほど続けているが勝算はない。1ヶ月10億ドルともいわれる戦費を、費やすのは産油国と言っても、大変な負担になっていよう。

 そこでサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は禁じ手とも言える、アルカーイダの徴用を考えたのかもしれない。既にイエメン戦線の軍司令官は、イエメン戦線が不調であることから、責任を取らせ、サウジアラビア政府が首にしている。

 サウジアラビアはアルカーイダ徴用の新体制のなかで、今後もイエメンのハーデイ政権を、支援して行くつもりのようだ。もちろん、当面の敵はホウシ・グループだ。ホウシ・グループはサウジアラビアの空港、石油施設、軍字施設などにドローンを飛ばし、攻撃しているからだ。

 そのホウシ・グループを武器提供などで、支援しているのはサウジアラビアの仇敵、イラなのだから、結構大掛かりなことであろう。サウジアラビアもホウシ・グループがイランの支援を受けており、イランの代わりにサウジアラビアを、攻撃してきているのだから、真剣に攻撃を続けなければなるまい。

 そうなるとサ、ウジアラビアはますますイエメン問題に、深入りしていくことになり、財政的にも苦しくなっていき、国内は不安定化していくことになろう。だが、そう分かっていても、サウジアラビアはもうイエメンから、手を引けない情況に、陥っているのだ。それから抜け出すには、イランとの直接交渉であろうが、その成功の確率は低く、アメリカの仲介でも期待するのであろうが、いまのところそれもありえない。