リビアが戦場になって久しいが、未だに世界の関心は高いようだ。リビアのハフタル将軍側LNAには、ロシアとアラブ首長国連邦が、大量の武器と兵員を送り込んでいるという情報が、伝えられている。
ロシアはリビアのジュフラにある空軍基地に、過去9ヶ月の間に、350機以上の貨物輸送機を飛ばし、大量の武器と兵員5000人を、ロシアとシリアから送ったということだ。これらは、アメリカの偵察衛星が監視していることによって、ほぼ証拠付けられているのだからから、否定のしようはあるまい。
リビアへの武器供給は確か、昨年冬のベルリンでの会議で、合意されているはずなのだが、各国のリーダーたちはそんなことは、気に留めていないようだ。ロシアのプーチン大統領はドイツのメルケル首相と、談笑していたというのだ。
トルコのリビアへの武器と、戦闘員の送り込みも然りで、トルコの場合はハフタル軍側LNAではなく、セラジ首相側GNAに送っている。その戦闘員数は既に、何万人のレベルであろうか。
さすがにこれも、アメリカには無視出来無いことだった模様で、アメリカ政府はトルコ政府に対して、戦闘員の派遣についてクレームを付けている。アメリカの報告によれば、トルコ政府は5000人のシリア・ミリシアを送りこんだとうことだ。しかし、実数はもっと多いのではないのか。
もちろん戦闘員ばかりではなく、大量の武器も送り込んでいるのだ。しかも、トルコは自国軍兵士も、アドバイザーという名目で、リビアに送り込んでいる。シリアから多数のミリシアがリビアの戦線に参加しているのは、トルコ軍のシリア侵攻や、国内勢力間の戦闘で、家屋が破壊され、家族が犠牲になっているからということも、金目当ての出稼ぎと合わせて、根拠となっているのだ。
そこで気になるのは、アメリカがセラジ政府GNAを支援するトルコを非難している、ということは、アメリカが裏ではハフタル将軍側LNAを支援している、ということであろう。加えて、アメリカはトルコを敵視、しているということだ。
アメリカとトルコとの間には、シリア問題など幾つもの問題が生じているが、最近のトルコとヨーロッパ諸国との対立も、その一因かもしれない。ギリシャに対するトルコの敵対的立場は、すでに看過出来ないレベルに、達しているのであろう。