『リビア内戦に変化』

2020年8月25日

 

 リビア内戦に変化が生まれ始めているようだ。それはトリポリ住民の生活窮乏が、厳しいことから、デモが起こっていることだ。その中心は20台の若者たちであり、停電や給水カット、食料不足、石油のカットに不満を抱いての、デモ決行だった模様だ。

 これに対して何者かが発砲し、デモ側に負傷者が出たが、セラジ政府GNAの内相は、軍や警察によるものではない、と発砲を否定し、厳しく取り調べると語っている。しかし、これは言い逃れであり、発砲は治安部か、警察によるものであったろう。

 リビアは120万BDの生産を、記録していたのだが、最近では10万BDまで、下がっているのだ。これはハフラル将軍側の作戦の、成功であろうと思われる。この結果、セラジ政府GNAは、国民の支持を減らすことは、必定であろう。

 これまで、セラジ政府側GNAは停戦を呼びかけてきたが、ハフタル将軍はそれを拒否し続けている。だが、ここに来て、ハフタル将軍側LNAは石油の再生産と、輸出を認める方針に、切り変えたようだ。

 こうした高度な作戦は、多分、エジプトなどの助言によるものであろう。もし、石油の輸出再開が物資の輸入を増やし、国民の生活レベルが少しでも上がれば、ハフタル将軍側LNAへの、支持が増えよう。

 いずれにせよ、リビアの首都トリポリで生活困窮から、国民によるデモが起こったということは、セラジ政府GNAが追い込まれている、ということであろう。この情況に対して、トルコはどう動くのであろうか。