『中東短信』

2020年8月20日

 

:イラン4兆ドル相当の地下資源開発へ

 イラン政府は地下資源の開発を、本格的に進める予定だ。それは述べるまでも無く、石油やガスへの依存の度合いを、下げる目的だ。だが、問題は地下資源開発のなかからは、放射性物質も出てくるということだ。

 イランは鉄鋼製品の輸出が、多いことで知られているが、地下資源のなかには、鉄鉱石も含まれている。それ以外にもいま上げられている地下資源は、68種類もあるということだ。そして、その価値は7000億ドル相当ということだ。しかし、それ以上4兆ドルに達すると見る専門家もいる。

 カラ・アガジからはチタン鉱が産出され、1億2000万トンということだ。カラ・アガジャだけではなくバルチスタンやケルマンシャーのカフヌジュでも生産できる。述べるまでも無くチタンは高価な金属だ。

 

:ハフタル将軍石油生産再開

 LNAのハフタル将軍は、リビアの石油生産を再開する方針だ。これは地域のエネルギーが、不足していることに起因している。また電力設備などの修理も必要になっている。結構大工事ということであろうか。

 リビアはアフリカ最大の産油国であり、昨年は日産120万バーレルを生産しており、トータルでは月産90万バーレルだった、と報告されている。それにも拘らず、封鎖が行なわれたことにより、リビアは80億ドルの損失を生んでいる。

 

ISがナイジェリアで多数の人質を取る

 ISの支部組織と思われるのだが、ISWAP(イスラミックステイト・ウエスト・アフリカ地方)なる組織が、ナイジェリアで暴れまくっているようだ。現在はチャド湖のクワワ地域で、動いているようだ。

 ボルノ国家なるものが主体であり、彼らは地域の首都のマイドグリから120キロのキャンプで生活しており、戦闘に出かけているのだ。これに対応し、ナイジェリア政府は戦闘機も投入し、ISWAPに対抗いている。

 ヨーロッパ人の地域専門家ヤン・ぺリは、クワワの価値を評価していないが、チャド湖をまたいで、このクワワはナイジェリアとカメルーンの、接点になっているのだ。つまりISWAPはしっかり計算して、このクワワで戦闘を展開しているということだ。クワワは経済敵価値もあるのだ。