『中東短信』

2020年8月 9日

 

 中東からは信じられないような、ニュースが伝わってくる。今朝は10歳から14歳の子供たちが、軍事訓練キャンプに集められて、軍事訓練を受けているという情報が、伝わってきた。これはクルド・ミリシアのYPGや、SDFによるものだということだ。

日本で10歳から14歳ということは、小学校から中学校で学ぶ、子供たちの年齢なのだが、全く信じられないような話ではないか。この子供たちは訓練後、戦場に狩り出されて行き、人殺し作戦に投入されるのだ。もちろん、この子供たちも大人たちと同じ、リスクを背負っており、殺されることもある。

 レバノンのベイルートからは、爆発事故後の様子が、伝えられてきているが、兎に角爆発の規模が、大きかったことに、驚かされる。核爆弾のようなきのこ雲に、閃光が見えたというのだから、尋常ではない。 

 結果的に数百人の死者と、5千人を超える負傷者が出ているが、死者の数はいまだ不明なのだ。それは瓦礫の下には、多数の人達がいまだに、救出されずにいるからだ。不明者数はいまのところ、60人程度と言われている。

 炎天下のベイルートでは、瓦礫の下に埋もれている人たちは、確実に死ぬということではないのか、負傷による流血と喉の渇きが、彼らを死に追いやるからだ。それ以外にも死亡に至る原因は、沢山あるだろう。例えば、危険なガスが、充満していることもあろう。

 ベイルートの住民は大規模な抗議デモを仕立て、政府の庁舎に押しかけているが、政府には危険物を放置していた責任はあるが、それ以外のことは知らないので、対応が難しかろう。

 このデモに対して、政府はいまのところ真相は分からない、と言っており、事実その通りであろう。それよりもいま必要なことは、緊急の医療、食料、水の手当てと、医療支援団の派遣ではないのか。

 日本政府も支援物資を送ったようだが、やはり人の派遣が必要であろう。そうは言っても日本はコロナまだカリ、下手をするとベイルートにコロナを広げることに、なるかも知れないし、日本そのものが医者不足でもある。悪いことが重なるものだ。

 こうした惨状で、唯一希望を抱かせてくれるのは、ベイルートの若者たちによる、A復興ボランテア作業への参加だ。デモよりもこちらの方が、明日への希望を抱かせてくれよう。