『サウジ下情報幹部暗殺の危機皇太子関与』

2020年8月 8日

 サウジアラビの元情報幹部が、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の命令により、暗殺される危険に、直面している。この元情報幹部とは、サアド・ジャブリという人物で、ムハンマド・ビン・ナーイフ王子の側近だった。

 ムハンマド・ビン・ナーイフ王子も、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子によって、逮捕拘束され、殺される危険にさらされていたのだった。つまり、サアド・ジャブリ暗殺計画はサウジアアビア王室内の。権力闘争の一部ということだ。

 サアド・ジャブリはムハンマド・ビン・サルマン皇太子に関わる、秘密文書を所持しているのだ。このためムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、彼を捕まえ殺害することを決め、2018年10月にカナダに、殺人部隊を送り込んだ。この殺人部隊はタイガー・スカッドと命名されていた。

 殺人部隊は武器と殺害後の証拠隠滅の道具を、持ってカナダに乗り込んだようだ。そしてこの暗殺に関わる人物たちは、お互いを知らないようにしてあったが、後に合同写真が出てきたために、そうではなかったことが、明らかになっている。

サアド・ジャブリはCIAと関係があることから、アメリカの手によって保護される状況に、なっているようだ。それはムハンマド・ビン・ナーイフ王子が、元アメリカ大使を勤めていたことによるものであろう。

 ここまでムハンマド・ビン・サルマン皇太子が、過激な行動に出ていることが明らかになると、アメリカ政府も対応せざるを得まい。その結果、それまでサウジアラビアの王室内の権力闘争が、激化してきているということだ。

 先日、サルマン国王が病院に入り、治療を受けているが、その事はサルマン国王の余命が、もう短いものだということであり、王室内部の権力闘争は、益々、激しいものになっていこう。

カシオギ暗殺以来、世界的にムハンマド・ビン・サルマン皇太子の評判は、極めて悪く、サウジアラビア国内でも国民王室ともに、彼から離れているようだ。そうなると、サルマン国王が死亡した後には、ほぼ確実にムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、権力を失うことになろう。

 その後のサウジアラビアが、どのような国家になっていくのかは、いまの段階では判断が出来ない。