『トルコが米のクルド石油で支援を非難』

2020年8月 4日

 トルコ政府はアメリカがクルド・ミリシア(YPG/PKK)に対して、シリア北部での石油生産を許可する合意を、交わしことを非難している。これはトルコに言わせれば国際法違反ということになる。

 トルコは地域の不安定化と、シリアの権利を侵すものであり、シリアの国家統一に反するものだということだ。同時にこの合意は、テロリストに対して資金を供給することになる。従って、トルコとしては決してこの合意を、見逃すわけには行かない、とトルコ外務省は非難している。

 このシリア北部での石油盗掘はアメリカのデルタ・クレッセント社が進めているものであり、同社がクルド・ミリシア側の石油掘り出しのために、コンタクトを取っている。同時に、デルタ・クレッセント社はシリア北部からのクルド・ミリシアの、石油の輸出にも協力をしているということのようだ。

 アメリカ政府はクルド・ミリシアと、シリアで協力しているが、それはトルコにとっては、極めて危険な動きだ。いまではIS(ISIL)に代わり、アメリカのシリア攻撃はクルド・ミリシアに、依存しているということであろう。

 アメリカはシリアの石油を盗掘し、それをクルド・ミリシアに与えて傭兵とし、シリアの体制を攻撃しているという方式だ。なにやら、昔から欧米が取ってきた戦略、という気がするが、多分にそのアイデアは、イギリスによってアメリカに、もたらされたものではないのか。

 いずれにしろ、このタイミングでトルコが、アメリカのクルド・ミリシアとの強い関係を、暴露したということは、今後のアメリカとトルコとの関係に、大きく影響してこよう。新たな展開がアメリカ・トルコとの間では起こる、ということの前兆であろう。