『ISがシリア、イラク、トルイコで再活性化』

2020年8月26日

 IS(ISIL)がここに来て、再度シリアやイラク、トルコで、活動を活発化しているようだ。なかでもシリアとイラクでの活動は、目立って増えてきている。その要因はコロナの拡散が、政府の動きを鈍らせているために、監視が甘くなってきているからのようだ。

 トルコのイスタンブールでも、南部デヤルバクルから来た、IS(ISIL)の戦闘員がテロを計画して、ホテルに潜伏していたが、逮捕されている。トルコもシリアやイラク同様に、IS(ISIL)の攻撃対象となっており、これまでに10回の特攻攻撃が起こり、315人が殺され、数百人が負傷している。

 国連のテロ対策責任者が語るところによれば、テロは今年に入り増加しているとのことだ。IS(ISIL)のテロリストは、少数のメンバーで構成され、シリアとイラクとの間を、自由に移動している模様だ。

 しかも、シリアとイラクの戦闘地域だけではなく、普通の場所でも動き回っているようだ。コロナの拡大がIS(ISIL)にとっては、隠れ蓑のような役割を、果たしているのであろう。コロナの影響で経済は低迷し、政治の動きも活発ではなくなっている。

 このため、IS(ISIL)側はリクルートが、容易になっているということのようだ。アブ・イスマイル・ハーシム・クライシュがIS(ISIL)のリーダーだが、彼が作戦を指示を出している模様だ。シリアやイラクでは、女性や子供がばらばらになり、再会出来ないでいるケースが、拡大している。

 これらの女性や子供たちを、どう保護し支援するかが、重要な課題になってきている。しかも、その問題の解決は、緊急を要するのだ。シリア政府もイラク政府も、この問題を放置しておくわけには行くまい。

 他方、IS(ISIL)はイラク国内に再度、カリフ国家を設立することを、計画している。そのために、戦闘員を増員し、戦闘能力を引き上げ、戦闘地域を拡大するつもりでいる。そのことに加えて、シリアやイラクのIS(ISIL)戦闘員のなかの、スリーパーに活動再開を呼びかけ、外国からもIS(ISIL)戦闘員を、召集しているようだ。

 ここに来て、コロナがIS(ISIL)と連帯し、シリアやイラクの体制に、攻撃をかけるとは、予想だにしなかったことだ。中東では我々には分からない、予想出来ない展開が起こる、ということであろう。トルコもその例外ではないのだ。