『ロシア・トルコがリビア対応協議』

2020年7月24日

 

 トルコとロシアがリビアに関して、合同作業グループを結成することに合意した。トルコのアンカラで7月21日の行われた、ロシア・トルコ会議でロシア側のセルゲイ・ベルシヒニン外務次官と、トルコのセダト・オネル外務次官との会談が行われた。

 ロシアはこれまでリビアの、LNAハフタル将軍側を支持していた。他方、トルコはこれと対抗する、GNAセラジ政府側を支援して来ている。ロシアとトルコはこの会議を通じて、今後も継続して話し合っていくことに合意した。

 両国はリビアの停戦を、実現する方向で合意したのだ。そのためには、リビア国内各派が停戦に向けて、話し合わなければならない、ということだ。それは1月19日に行われた、ベルリン合意を基礎とする、ということになる。なお近く、今度はモスクワで同じ趣旨の会議が、持たれる予定だ。

 現在最も肝心なことは、リビア人同士が独立を順守し、統一した国家を守っていくということだ。リビア人自身がこの問題の解決に努力する、ということが第一であろう。そしてそこでは、国連の助言が重要でもあろう。

 どうやら、このロシアとトルコの合意は、双方の立場を守った、ということであろうか。ロシア側とすれば、トルコが大量の武器を、リビアに持ち込むことに、ブレーキがかけられる、ということと、トルコ側にすれば、リビアを統一いた状態で、問題の解決を達成できる、ということだ。

 しかし、冷静に見てみると、これでトルイコの絶対的優位は、崩れたのではないか。トルコは戦局が厳しくなりそうないま、武器の大量搬入を、抑えなければならなくなったのだ。唯一、リビアを統一した国家のままで維持できることが、トルコのリビア戦争での投資を、守ってくれるのではなかろうか。

 しかし、一端情況が収まれば、これまで関係してきた国々が、自国の利益を主張するであろうから、トルコの取り分は少なくなる、ということだ。つまり、今回のリビア内戦へのトルコの介入は、失敗に終わるということであろう。