『トルコシルテ・ジュフラ攻防で及び腰』

2020年7月22日

 トルコ政府はシルテとジュフラに対する攻撃で、腰が引けているとリビアの、東側政府は見ている。つい最近、GNA(西側政府)のファタヒ・バシャガ内相は、トルコのアカル国防相と会談したが、トルコはシルテとジュフラに対する攻撃で、及び腰になっている、という見方が出て来ている。

 トルコはこの二つの地域に対する攻撃は、国際的な安定へのモデルだとしているが、どうもそれは簡単なことではないようだ。シルテやジュフラは東側政府LNAの支配下にあり、そこにはフランス、ロシア、エジプト、アラブ首長国連邦が支援を送っている。

 他方、トリポリ政府はトルコ軍、カタール、シリアの傭兵部隊が陣取っており、にらみ合いになっているのだ。トルコ政府は3500から3800人の傭兵を、シリアで集め、リビアに送り込んでいる、という報告がアメリカの、ペンタゴンから出ている。

 LNAのハーリド・マハグーブ将軍が、スカイ・ニューズに語ったところによれば、トルコ軍はシルテとジュフラに対する攻撃を、恐れているということだ。LNA側はこの二つの街を堅固に、防衛する意志を固めている。

 エルドアン大統領はこの二つの街を、出来るだけ早く奪取しろ、と指示しているが、LNAと支援軍は強力であり、そう簡単には行くまい。

 エジプトのシーシ大統領は現状を維持し、交渉を始めるべきだと語っている。エジプトにとっても、シルテとジュフラはレッド・ラインであり、譲れないということだ。そこはまさにリビアの石油を、コントロールする場所だからだ。

 エジプト政府のシーシ大統領の頭のなかには、リビアを分割する、という考えもあるのかもしれない。元々、リビアの東西は全く異なる、性格を持つ人達が生活しており、これまでも関係は良くなかったのだ。それをより明確にし、リビアの石油が東部地帯にあるので、それを押さえにかかろう、ということであろうか。

 現状から判断すれば、この解決方法は手っ取り早いということかもしれない、しかし、その場合は石油収入をどう分配するか、という問題が再燃してこよう。西側のGNA政府としても、石油収入無しには、やっていけないのだから。