トルコ政府はリビアに、3500人から3800人の傭兵を、送ったと報じた。そのほとんどはシリアで徴兵したもののようだ。トルコはリビアの石油資源を狙い、武器や傭兵を送り込んでいるということだ。
トルコ同様にロシアもリビアに対して、傭兵部隊を送り込んでおり、その数は益々増えているようだ。トルコがシリアの傭兵に提供しているメリットは二つ、一つは月額1000ドルの給料、そしてもう一つの条件は帰国後に、トルコ国籍を与えるというものだ。この傭兵たちはセラジ政府GNA)側に立ち、ハフタル軍とトリポリで戦っている。
さる4月にはトルコ軍支援の、シリアからの傭兵400人がリビアに上陸し、トルコの軍事顧問と共に戦っている。しかし、トルコ軍の将兵がどれだけ、リビアに入っているのかは、明かされていない。
その反対側のハフタル軍側には、ロシアが送ったワグナー傭兵部隊が、付いているのだ。彼らはスナイパーとして、極めて高度なレベルの者たちだということだ。シリア人傭兵は800人から2500人と見られており、シリア政府はロシア側に対して元反政府の戦闘員300人から400人を送った模様だ。彼らのほとんどはシリア南部の、クネイトラの村から送られているということだ。
これらシリアからの傭兵のなかに、IS(ISIL)やアルカーイダのメンバーが含まれているかどうかは、明らかにされていない。もし、IS(ISIL)やアルカーイダの戦闘員が含まれているとすれば、それは思想的なことからではなく、金が目的だろうと思われる。
ロシアはリビアに14機の戦闘機を送ったようだが、戦闘員のなかにはシリア国籍と語る、ロシア人も含まれているようだ。彼らは地雷その他の罠の設置に、優れた能力を持っていると言われている。これに罹りリビア人は52人が死亡、96人が負傷した。
アメリカの非難に対し、ロシアのクレムリン・スポークスマンのドミトリー・ペスコフは真っ向から反論し『ロシアは一兵たりとも作戦遂行のために、リビアに送っていない』と語っている。リビアの東西政府が、これまで関係をこじらせたのは、同国の石油収入の配分に、よるもののようだ。平等な配分であれば、ここまではこじれなかったであろう。
エジプトのシーシ大統領を、リビアの部族長代表団が訪問し、エジプト軍のリビア派兵を要請した。この代表団に対してシーシ大統領は、何もしないで見ているわけには行かない、と語り派兵意志を明かした模様だ。つい最近、エジプト議会はリビアへの派兵を決議し、大統領のその旨伝えている。
これからは石油積出港のシドラ湾の攻防に、リビア東西政府が軍を派兵し、激戦が交わされるだろうが、この戦闘にはスーダン、シリア、ロシアなどからの傭兵も加わるということだ。