『トルコのあせりか本格戦争へ』

2020年7月15日

 

 どうやらトルコのエルドアン大統領は、広げすぎた戦争の成果が、何も出てこないことに怒りが増しているのではないか、と思われる。彼は遂に虎の子のS400ミサイルを、リビアに持ち込みフランスのラファエル戦闘機を、撃墜する意向のようだ。

 実はここまで腹を立てた理由は、このフランスのラファエル戦闘機が、ワテイヤ空軍機に有った、トルコ軍のホーク・ミサイルや、トルコのドローン機、バイラクタル・ミサイルなどを破壊したからだ。

 結局、トルコはこの結果、シルテ攻防戦でも不利になり、他の戦線でも空軍兵力を使えなくなった、ということだ。これではGNAのセラジ政権を守ることも、おぼつかない状態にあるとうことだ。

 トルコは少しでも早くりビアの石油を、支配したいと思っているのだが、そう思っている国はLNA支援国もそうだ、エジプト、フランス、アラブ首国連邦、サウジアラビアにロシアがそれらの国だ。

 しかも、つい最近、リビアの東側政府ハフタル将軍側議会は、エジプトに対し軍を派兵し支援して欲しい、と言い出している。このエジプト軍はいまリビア国境から、60キロの地点にあるカブル・ガビスで軍事訓練を行っており、何時でもリビア領内に、侵攻できる状態にある。

 エジプトのシーシ大統領はこの軍事訓練期間を延長し、軍を国境近くに留まらせているのだ。それはハフタル軍にリビアの石油地帯支配を、一層、強化させようということであろう。その作戦はシルテの支配強化、石油地帯の防衛など多岐に渡るのだ。

 シーシ大統領はエジプトとリビアが、外国人に荒されることは許さないとし、断固とした立場を貫くつもりだ。このなかで語られている外国とは、トルコに他ならない。エルドアン大統領はロシアのプーチン大統領と、電話連絡を頻繁に行い、あたかも両国関係が良好であり、リビア対応も協力して行くそぶりをしているが、そうはなるまい。

 ロシアはハフタル将軍側に、傭兵ワグナー部隊を送り込んでいるのだ。こうした危険な状態のなかで、エルドアン大統領あくまでも強硬路線を、崩さないということか。つい最近も13000人の外人傭兵を、リビアに送り込んでいる。

 つまり、エルドアン大統領はあくまでも、力によるリビア問題の解決を、進めていくということであろう。だがいま、トルコが突きつけられている現実は、シルテとジュフラから撤退することしかないのだ。