『中東短信』

2020年7月11日

 

:シリア北部でコロナ発生

 シリアの北西部トルコとの国境に近い、イドリブのバーブ・ハワーでコロナ患者が見つかった。患者は医療関係者のドクターであり、病院に勤務していた人物だ。この後病院は閉鎖されている。

 シリアの北西部は危険地域として、援助団体はコロナが蔓延することを、阻止するのに努力してきていた。この地域ではロシアの支援を受ける、ミリシアが活動を展開していたところだ。

 しかし、この地域には300万人の住民がおり、健常者と患者が狭い地域に、隔離された状態になっているキャンプが、開設されている。

 シリア政府はコロナ感染者の数は372人と報告しており、14人が死亡しているということのようだ。もちろん、実数はこんなものでは有るまい。

:リビアの戦闘拡大

 リビアではシルテをめぐる攻防戦が、次第に拡大しているようだ。ここは石油積出港に近いこともあり、どちら側が支配するかということが、今後の趨勢を決めることに、繋がるのだ。

 東側政府のハフタル将軍側は、トルコがリビアの石油を支配しようとして攻撃を仕掛けている、と非難している。それは事実であろう。トルコはS400ミサイルまで持ち込もうというのだから、相当本腰を入れるつもりなのであろう。

 つまり、トルコは一日も早くリビアの石油を、盗み出したいということであり、トルコの経済はそこまで苦しくなっているということであろう。最近になって、カタールの政府高官は国連案にそって、リビア問題を早く解決したい、と言っているのは、トルコに対する戦費支援が、相当額に上っているからであろう。

:イラン連続爆発は

 イランでは核施設や病院など、幾つもの重要施設で、爆発事件が起こっている。犯人は不明のままだが、最近になってこれはイスラエルによる、犯行だという説がイランから、出て来ている。

 以前、イスラエルでは飲料水に毒薬を入れる、犯罪の懸念が出ており、それはイランによるという噂が流れていた。それだけにイスラエル側がイランの核施設などを攻撃しても何の不思議もあるまい。