『リビアは複雑さを増している』

2020年7月 6日

 

 リビアの内戦は、各国が介入しているために、複雑さを増している。東リビア政府ハフタル将軍側は、セラジ政府側のワテイヤの基地を、空爆し始めている模様だ。ここにはトルコが持ち込んだ、ホーク・ミサイル・システムが設置されており、それがどうも上手く機能していないようだ。

 トルコが持ち込んだ、ロシア製のパンサーミサイルも、機能しておらず、LNA側の攻撃で破壊されたようだ。攻撃に回っているLNAはエジプト、アラブ首長国連邦、ロシア、ギリシャ、フランス、そしてシリアの支援を受けている。

 他方、GNAセラジ首相側はトルコ、カタールに加え、イタリア、ドイツから基本的に支援を受けている。アメリカは二股でGNAを、支援しているといわれている。これだけリビアの内戦に、各国が関与してくるのは、リビアの地理的な位地に、起因していよう、リビアはサヘル地域の安定に、直結しているからだ。

 リビアの隣国エジプとやアルジェリア、チュニジアに影響が及ぶのだ。フランスはアルジェリアに関心を高めているし、チュニジアにはロシアやトルコが、関心を高めている。そしてエジプトはトルコのリビア関与を、非難しているのだ。

 アメリカはリビアでロシアと、戦いたい意向のようだ。同時にリビアはトルコ製武器と中国製ドローンの、テスト場になっている感じがする。それに加えて、トルコが扱っているロシア製武器のレベルを、リビアの内戦を利用して、知ることも出来よう。

 その意味ではリビア内戦は、関係諸国にとっては。格好の戦争ということになろう。そうだとすれば、当分はリビア内戦が続くのではないか。