6月26日頃だったと思うが、テヘラン近郊のガスタンクが、爆発するという事故が起こった。これに合わせ、その近くにあった地下トンネルも、爆発したということが、伝えられていた。イラン政府はこの爆発事故について、特別の疑惑はないと発表したが、どうもそうではなかったようだ。
その後出てきたのは、この爆発は核開発施設のものであり、核弾頭製造の場所だったということだ。加えて、地下トンネルは核弾頭を運ぶことを前提とした、ミサイルの実験場であったということだ。そうなるとこの爆発事故は、イランにとって極めて重要で、かつ危険な事故だった、といことになろう。
その後、この爆発事故については、全く報じられていないが、本来であれば、後追いの報道があるべきであり、アメリカも核とその運搬手段のミサイル開発、ということで噛み付いていいはずなのだが、何も言っていない。例外はインターナショナルヘラルドトリビューンだけか。
そうなるとこの爆発事故の裏には、何かとんでもないことが、隠されていると考えるのは当然であろう。アメリカが一番望む核とミサイルに関した爆発事故は、アメリカがイランを非難するうえでは、最高の口実となろう。
そして不思議なことに、爆発事故がやはりテヘラン近郊で、続いて起こっている。今度は病院が爆発したのだ。今度は爆発の場所が明示されている。この二つの爆発事故は、もう自然の不注意による事故、などとは言えなくなったのではないか。
何者かが、国内あるいは外国から侵入し、爆破テロを行った、としか考えられない。この爆発事故のすぐ後、イラン政府はMKO(ムジャーヒデーン・ハルク)に対して、アメリカ政府が巨額の資金援助を行っている、と報じている。
つまり、イラン政府はアメリカがMKPを支援して、イラン国内で破壊工作をしている、と言いたいのであろう。それ以外にも昨年の11月には、アメリカがイラン南西部で、ガソリン値上げに反対するデモを起こし、それが暴動にまで拡大し、イラン全土にも飛び火したケースがある。
イラン政府はいま人道的な支援がなされない状態を創り出し、経済制裁がコロナ禍を拡大させている、とアメリカ非難をしているが、それはあるいは爆発テロに対する、報復を考えているからの、可能性があろう。
ここに来てイランからは、次々と新しい兵器の開発成功と、その配備が伝えられている。つまり、ペルシャ湾海域のアメリカ軍は、危険の度を高めている、という事であろう。今後、イランとアメリカとの緊張が、何処まで高まるのかが見ものだ。