『テヘラン近郊の大爆発は核とミサイル工場だった』

2020年6月28日

 APが6月27日に公開した、サテライト写真によれば、テヘラン近くのパルチンで起こった、巨大な爆発は秘密トンネルと、ミサイル工場だったことが、明らかになった。秘密トンネルは核兵器の開発に、関わるものであり、ミサイルは説明が要るまい。

 秘密トンネルは核爆弾実験場であり、その実験が行われていたということのようだ。シャヒード・バケリ産業グループが、操業している場所だ。ここには巨大なミサイル工場があり、ミサイル生産の情況が、今回公表された写真で、明らかになった。

 2011年にもこの種の工場で、爆発が起こり、この時は革命防衛隊の、ミサイル計画責任者である、ハサン・テヘラーニ・モガッダムが死亡している。同時期にシラーズでも同様の爆発が起こり、シラーズは黒煙で覆われたことがある。

 パルチンはイランの核兵器開発の中心地であり、ここでは開発と実験が繰り返されていたということだ。ここでは5発の核爆弾の製造と、それの地下実験が行われていたようだ。もちろん、こうした情報は全てイラン政府によって、否定されてきていたのだが、今回の爆発でそれが覆された、ということであろうか。

 もし、今回のAPの報道写真が、それを証明するのであれば、イランか核兵器の開発と、それを運ぶミサイルとの製造を、進めていたということになる。それは極めて危険なことであろう。

 このニュースによって、アラブ湾岸諸国はイランに対して、これまで以上に神経を尖らせ、対抗手段を考えなければなるまい。アラブ湾岸書緒国に出来ることは、アメリカの兵器を購入することと、アメリカ軍の支援に頼るしかあるまい。

 そうした動きは、ますますイランとアラブ湾岸諸国、なかでもサウジアラアビアとイランとの軍事緊張を、煽ることになろう。そして、それは同時に石油の安定供給が、脅かされるということでもあろう。

 先日、イランがホルムズ海峡を通過せずに、石油の輸出が可能になった、と発表しているが、それはサウジアラビア・アメリカとイランとの軍事緊張を、前提にしたものだったのではないか。

 イランが発表した、ホルムズ海峡を通過しない、イランの石油輸出とは、ホルムズ海峡の外側、インド洋サイドのバンダル・アッバースや、バンダル・ホメイニからの輸出を、意味しているのであろう。