『エジプトのシーシ大統領・リビア軍事介入明確化』

2020年6月21日

  エジプトのシーシ大統領は土曜日、明確な形でリビアへの軍事介入を発表した。この発言はエジプト西部の、ムハンマド・ザキ指令官によって実行される。シーシ大統領はこの大役を、リビアの部族たちによって、主導されると語っている。

 彼は『エジプトはリビアについて何も望んでいない。あくまでもリビアの情況が、安定化することであり、我々には侵略の意図はない。リビアが安定化し、開発されていくことを望んでいる、』と語った。

 現状のラインを守り、相互に議論しあうことによって、解決に向かうことを望むと語り、武力衝突の終焉を望むとした。この考え方は、これまでに国連でも、パリ緒会議でも、ローマ会議でも、アブダビ会議でも確認されてきたことであり、最近ではベルリン会議でも然りだ。

 リビアの部族代表はエジプトが、リビアを守ってくれることを望み、部族代表は『我々はエジプトがリビアを守ってくれ、リビア国民のためにその持てる資産を、活かしたい。』と語っている。これに対しシーシ大統領は、『リビアの兄弟たちの要望を受け入れ、エジプトはリビアの若者たちを、軍事教練するつもりだ。』と語った。

 エジプトの軍事力は2020年に。非常に高いレベルであることが、国際的にも評価されている。従って、エジプト軍はエジプト国内外で、充分に防衛能力を持っている、ということだ。

 さて今回のシーシ大統領の発言は、何を意味しているのであろうか。シーシ大統領はトルコのリビア介入を、不愉快に思っていたが、ここに来て、それを真正面から阻止する意志を、固めたということだ。

 この後予想されることは、、まずトルコが海空輸送能力を生かして、リビアに武器や戦闘員を搬入していることを、阻止するということであろう。そうなれば、トルコは思うようにリビアに、武器を運び込めなくなるし、兵員も送り込めなくなろう。

 一部では、トルコが既に1万人以上の兵士を、リビアに送り込んだと言われているが、今回のシーシ大統領の発言で、彼らは非常に危険な情況に、追い込まれるということであろう。

 結果はどうなるのか、戦闘は長期化するのか、あるいは簡単に決着が付くのか。もちろん欧米は介入し、停戦に向けて動き出すことであろう。そのときには欧米がセラジ首相政府を支持するのか、ハフタル将軍側を支持するのかが、明確になろう。