リビア問題をめぐりイタリアがトルコに、クレームを付け始めた。イタリアのルイギ・デ・マイオ外相がトルコのアンカラを訪問して、トルコはリビアに対する武器搬入を止めろ、と言い出したのだ。
ルイギ・デ・マイオ外相はトルコ側に対して、リビアへの武器供与を止め、海軍の活動を止めるべきだと語った。これを受けて立ったのは、トルコのチャブショール外相であり、イタリア外相はチャブショール外相に対して、国連の規約に則り、出来るだけ早く手を引くべきだ、と語った。
トルコ側はイタリアと組んで、リビアのエネルギーの開発を、進めたいと望んでおり、地中海海域でのエネルギー開発での、協力をしたいという立場だ。だが、そのトルコの野望はいま、崩れかかっているということだ。イタリアはこれまで、トルコと同じ立場であり、リビアのセラジ政府を支援してきていたのだが、ここに来てそれが変更された、ということであろう。
同じように、フランスからもトルコに対して、クレームが付いている。フランス政府はトルコに対して、トルコの地中海海域での活動は、国連の合意に反するものだ、と言い出した。つまりトルコが進めている、リビアに対する武器供与が、国連の武器禁輸を破るものだということだ。
リビアに武器を搬入している貨物船は、トルコの海軍によって守られており、それをNATO側が監視しているということだ。フランスはこの点を、トルコは明らかにすべきだ、と主張し、トルコはベルリン合意を、順守すべきとした。
どうやらトルコはイタリアという盟友を失い、フランスをますます敵に、回したということだ。イタリアは米露の動きを見て方向転換し、フランスはますます強気になったということであろう。