『中東短信』

2020年6月19日

 

:リビアへのトルコ代表団歓迎される

 トルコがベラト経済相を団長とする、高位の代表団をリビアに送った、この代表団にはトルコ政府のスポークスマンである、イブラヒム・カルンや、アルバイラク情報長官も参加した。

 リビアではセラジ首相が迎えに出て、大歓迎された模様だ。この代表団がリビア側と討議するであろうと思われるテーマは、トルコがリビア国内に海空軍基地を持つこと、その事によって今後もセラジ政府を支え、勝利に導くことが第一であろう。

 加えて、トルコはリビアでの石油開発に、参画する意向を伝えると同時に、地中海海底のエネルギー開発に、協力していくということであろう。だが地中海海底のエネルギー開発には、ヨーロッパ諸国から相当の反発が出ており、その事が原因でイタリアとの関係は、壊れていこう。

イタリアもリビア問題では、セラジ政府支援に回っていたのだが、今後はハフタル将軍側に付く可能性が、否定できなくなってきた、ということではないか。加えてアメリカも露骨にハフタル将軍側支持の、意向を示しだしてきている。

 

:サウジアラビアが子供虐待

 サウジアラビア政府は同国の子供たちを、逮捕し刑務所に送っているようで、その事が国際問題化してきている。5歳の少女が逮捕され投獄されていたのだが、この子供の母の国籍がアメリカであったことから、この問題はサウジアラビア政府とアメリカ政府との間の政府間トラブルになっている。

 

:イランがリビアには手を出すなと呼びかけ

 イラン政府はリビアの尊厳と、自主性を保つために、リビアの内紛に外国は、手を出すべきではない、と言い始めている。このことは明らかに、トルコのリビア対応を、批判するものであろう。

 今後、リビア問題はエジプトのシーシ大統領などの主張する、政治解決対話解決がメインストリームになろうから、トルコの強攻策には反対の声が、増えていくことであろう。国連もセラジ首相の政府を支持してはいるが、平和達成に向けては、セラジ政府とハフタル政府が話し合いで、問題を解決すべきだ、という立場であろう。

 ここでも何と無く、トルコの強攻策に反対が広がっている、という感じがするのだが。トルコがリビアに代表団を送ったのは、リビアのセラジ政府との、その辺の調整のためであろうか。