トルコ政府はエルドアン大統領の義理の子息、ベラト経済大臣を筆頭とする、大デレゲーションをトリポリに送り、セラジ政府側と交渉している。これには政府のスポークスマンのイブラヒム・カルン、MIT(情報機関)のトップである、ハカン・フェダンも同行している。
現在、セラジ政府GNAは対抗馬である、ハフタル軍に優位に立っているが、ロシアはこの流れの中で、ラブロフ外相とセルゲイ・ショイグ国防相のリビア訪問を、延期している。それだけではな、セラジ政府を支持していた、イタリアの外交トップのリビア訪問も、延期されている。
ルイジ・デ・マイオ外報は当初、6月17日にリビアを訪問することに、なっていたのだ。何故ロシアとイタリアの代表団の訪問が、同時期に延期になったのか、気になるところだ。当然そこには両国の読みあがろう。アメリカや他のヨーロッパ諸国、なかでもフランスの動きが、影響しているのではないか。
こうしたトルコの派手な動きに合わせ、トルコは戦域を拡大しているようだ。国内では反政府勢力が、拡大しているし、リビアをめぐってはロシアと対立し、シリアでもイエメンでも然りだ。
トルコはリビアに対し空軍と海軍を、送り込んでいるのだ。述べるまでも無く、プーチン大統領はトルコと反対の、ハフタル軍側を支援している。そうしたなかで、トルコはミスラタの海軍基地化、ワイテイヤの空軍基地を使っているのだ。
トルコはギリシャ、エジプト、キプロスなどを敵に回し、地中海海底資源の開発も、進めている。これらの国々が、トルコの敵に回るのは、当然であろう。トルコはリビアとの間に、地下資源の開発やビジネスの拡大を、計画しているのだ。
シリアでもイドリブに武器弾薬を送り、軍も派兵している。アサド体制と真っ向から、対抗しているのだ。そのアサド体制はロシアが、支えているのにも拘らずだ。そして、イラク北部のクルドにも、攻撃を強化している。
また、国内ではコロナが拡大し、多数の感染者が出ているにも拘らず、エルドアン大統領はヨーロッパから、観光客を誘致する予定だ。それは国民の反発を招いて当然であろう。エルドアン大統領は壊れたのであろうか。