『フランスがトルコのリビア介入を非難』

2020年6月15日

 フランスのマクロン首相が、トルコのリビア介入を非難した。マクロンの言い分は、トルコがNATOのメンバー国であるにも拘らず、国連の武器禁輸を破って、リビアに武器を提供しているからだ。

 トルコは戦時下にあるリビアに対して、船舶を使い大量の武器を、リビアに届けている。この動きはカタールの支援を受けており、相当に大規模のものになっているようだ。もちろん、武器の供給先はセラジ首相が中心の、GNAであることは間違いない。

 フランスの主張によれば、トルコは禁止されているリビアの海岸に、国連の武器禁輸を破って、武器を送っているということだ。マクロン首相は既に、このことについて、アメリカのトランプ大統領とも、話し合っている。

 加えて、マクロン首相はこの問題を、NATOメンバー諸国との会議でも、話し合うつもりでいる。トルコのセラジ政府に対する、武器の供給と軍事的アドバイスは、受け入れられないものであり、看過出来ないもだ、ということだ。

 この問題はバチカンのポプ・フランセとも、話し合っているようで、バチカンとすれば、リビアで発生している、移民者、難民、亡命希望者、家を追われたリビア人などを放置することは出来ないということだ。

 もし、トルコからのリビアのセラジ政府に対する、武器の供給が止まり、トルコ軍の軍事アドバイスが止まれば、セラジ政府側は窮地に、立たされることになろう。ここまでフランスが動くのには、それなりの裏がある。

 フランス政府はセラジ政府側ではなく、ハフタル将軍の側LNAを、支援してきていたのだ。そのLNAが今では、トルコ軍に支援される、GNA側に追い込まれる形になっているから、フランスは動き出したのだ。

 アメリカは一時期、ハフタル将軍側を支援していたが、途中から国連が認めているということで、セラジ政府側に支持を変えていたが、今回のマクロン緒働きかけで、立場は元に戻ろう。

 リビアは大産油国であることから、欧米各国はことのほかの、リビアの戦局に関心を、寄せているのだ。こうなると、トルコの立場は苦しくなり、リビアへの支援は後退するかもしれない。

 つまり、マクロンが放った新たな動きは、大きくリビアの戦況を、変更させるかもしれない。欧米の頭の回転に、エルドアン大統領が勝てるのか、あるいは敗れるのかは、これからが見ものだ。