トルコのカルン報道官が、6月12日トルコの首都アンカラで語ったところによれば、トルコ政府はリビアの内戦解決に、軍事力ではなく、政治交渉を進めることを、希望すると語った。
これまでトルコ政府は政治交渉を、進めたいということは口にせず、エジプトの和平交渉を拒否していたのだから、大きな変化と言えるだろう。これはカルン報道官が、ドイツのベルリンを公式訪問した後に、語られたものであるということは、ドイツ政府も同様の解決方法を、模索しているということであろう。
カルン報道官は軍事力ではなく、政治交渉による解決を強調している。そのうえで、トルコ政府は今後も、リビアの西側政府セラジ首相側を、支援すると語った。トルコに言わせると、セラジ政府は正統な政府であり、国連も認めているということだ。その正統な政府による解決策が、理にかなっている、ということであろう。
カルン報道官はハフタル将軍側が、戦略拠点を西側の、セラジ軍によって奪われた後、急遽、停戦を言い出しているということだ。だが、これはハフタル将軍が、彼の立場を堅持することが、条件となっているということは、述べるまでもあるまい。
これから、ドイツを始めとするヨーロッパ諸国を味方につけて、トルコはリビア内戦の終結を図りたい、ということであろうが、それが上手く行くかどうかは分からない。リビアでもシリアでも、トルコ兵がコロナに感染しており、必ずしも軍事的に優位に立っている、とは言え無い部分があるからだ。
そして、ハフタル軍の背後には、今でもエジプトやアラブ首長国連邦が控えているし、ロシアも傭兵を送っている。ハフタル将軍側が戦術を、上手く構築出来れば、情況が一気に反転することも、ありうるということではないのか。今後を見よう。