リビアの西側政府のセラジ首相は、トリポリ空港を奪還したことで、大喜びしている。その成果もってセラジ首相は、トルコのエルドアン大統領に、6月4日に面会を求め、トルコの首都アンカラを訪問した。よほど嬉しいのであろう、エルドアン大統領もこの成果を、喜んでいることであろう。
トリポリ空港を奪還出来たということは、トルコ軍がリビアでの駐留で、増強するに当たって、戦略物資の移送を、容易に出来るからだ。エルドアン大統領はこれを受け、トルコにとって重要なことは、北アフリカ諸国が統一され、安定することだ、今後もトリポリ政府を支援する、と語っている。
エルドアン大統領はこれに加えて、リビアの安定化は可能であり、それは政治的プロセスを踏むことと、国連の指導の下に、行動することだとも語った。それと同時に、ハフタル将軍はリビアに流血をもたらす犯罪者だ、と非難している。
エルドアン大統領は加えて、リビアとの地中海合意を持ち出し、この地域の開発を合意しているとし、地中海海底のエネルギー開発を、進めると語った。そして、セラジ軍の戦勝を賞賛し、トルコは継続して支援していくことを約束し、リビアに対する制裁を解除し、協力を進めて行きたいと語っている。
リビアの石油はリビア人のために、使われるべきであり、犯罪者に使わせてはならない。これに対し、セラジ首相はトルコとの、協力を希望し、多くのトルコ企業が、リビアで活動することを、望んでいると語った。
トルコとリビアのセラジ政権は、2019年に合意を交わし、以来、トルコ軍は軍事顧問を送り、訓練し助言を与えてきていた。その成果があり、今回の勝利に辿り着いた、ということであろう。
トリポリ空港奪還作戦は6月3日から始まり、ハフタル軍はセラジ軍側の、ドローン攻撃を受け、撤退し、いまベンガシ-ルに陣取っている。この場所はトリポリから、20キロの距離にある。
従って、ハフタル軍側の反撃は、充分にありうることであり、この状態でハフタル軍を支援する、エジプトやアラブ首長国連邦の軍隊が、動かないとは思えない。加えて、ロシアの傭兵部隊も、ハフタル軍側を支援しているのだ。今回のセラジ軍のトリポリ空港奪還作戦の勝利は、あくまでも、戦争の一ページに、過ぎないのではないか。