6月2日トウコ晴雨は世銀から、3,53億ドルを借り入れることを発表した。これは弱体化しているトルコの、中小企業を支援するために、使われる予定になっている。トルコの経済がそこまで、苦しい資金状況に陥っている、ということであろう。
トルコの投資銀行の部長イブラヒム・オズトプは、『この資金を投入することにより、中小企業を支え、シリアからの難民やトルコ国民の、雇用を支援する計画。』、ということのようだ。トルコではそれだけ失業者が、増えているということでもあろう。
特に地方都市では、失業問題が大きな社会問題に、なっているということであろう。それが庶民の生活を苦しくし、結果的に犯罪や暴力が、拡大する危険もあろう。そのためには何としてでも、企業支援が必要になるということだ。
世銀の責任者は、今回のトルコへの資金貸し付けについて、『トルコ社会の経済回復に、支援できることは、喜ばしいことだ。』と大歓迎している。トルコ投資銀行の部長イブラヒム・オズトプも、『世界が経済混乱に、陥っているこの時期に、トルコの企業を資金的に支えることが、出来るということは、トルコの中小企業の活性化に繋がる。』とし、『それは大企業にとっても、大きな支援となろう。』と語っている。
これまで何度もトルコ経済の悪化と、トルコ企業の危機的状態について、報告してきたが、やはり内情は、相当きついのであろう。トルコ政府はこれ以外に、ヨーロッパ諸国や中国、そして日本政府に対しても、資金の借り入れ、スワップを要請して来ていた。
そうした虫のいい資金の借り入れは、あまりうまく行っていないのではないか。また例え受け入れられても、その資金額はトルコ政府の希望する額には、達していないし、条件も厳しいものなのかもしれない。
このところ、トルコのエルドアン大統領は、ギャンブル的な対応策を、次々と進めている。シリアとリビアでの戦争介入もそうであろうし、リビアとの間に進めている、地中海海底エネルギーの開発も、然りであろう。
こうした対応は、尻に火をつけて走回るのと同じで、走れば走るほど、火勢は強まるのではあるまいか。こんな時には、一旦立ち止まって、冷静に考えること、スタッフと意見交換することが、最重要であろうと思うのだが。
それはエルドアン大統領には、無理であろうか。それが無理であるとすれば、トルコの経済はますます、悪化していくしかあるまい。