『シリアでアメリカ軍が躊躇』

2020年5月29日

 シリアの北部ハサカで、アメリカ軍がシリア市民に対する対応で、躊躇しているようだ。アメリカ軍はハサカのカヒラとドシャイシャに、侵攻しようとしたのだが、住民による侵入反対のデモと投石で、腰を引いたようだ。

 住民のアメリカ軍侵入阻止の行動は、相当激しいものであったのであろう。アメリカ軍としては、市民を大量殺戮することは、出来なかったということか。市民はアメリカ軍に対し『お前らの来たとろに帰れ』と叫んだということだ。

 現在、シリアの石油地帯は、クルド・ミリシアによって、コントロールされているが、トランプ大統領はアラブ全域から、アメリカ軍は撤退しろと言っているが、現実はそうはなっておらず、アメリカ軍はシリア東部の、石油地帯を支配し続けている。

 それはアメリカ政府が、東シリアの石油を、支配したいからだ。アメリカの見えすぎた野望を、シリアの住民たちはいままでも、何度と無く阻止できている。まさに石油を中心とした、シリア住民とアメリカ軍の戦い、ということであろうか。

 アメリカ軍はタクフィール・ミリシアや、クルド・ミリシアのYPGやSDFなどを使い、アブ・ラーシンの小麦畑に火を放ち、ダメージを与えてもいる。いまは獲り入れの時期だけに、住民の怒りは特別であろう。何万トンもの小麦が、無駄になっているのだ。

 これはトルコ政府も、怒らせているであろう。クルド・ミリシアをアメリカ軍が、支援して蛮行を行わせているからだ。トルコ軍はこのクルド・ミリシアを殲滅すべく、何度と無く国境越えの攻撃を、かけてきている。

 ここでもトルコ政府とアメリカ政府との間に、溝が出来ていることを示している。アメリカはイランのハメネイ師が言うように、中東でのプレゼンスを維持することが、難しくなってきているのかもしれない。