ここに来て、イランとレバノンのヘズブラが、猛烈な勢いでイスラエル非難を、始めている。イランのハメネイ師は『イスラエルは根こそぎ終りにしろ』と言い出し、それに加えて『イスラエルは消える』とも言っている。
加えて、ハメネイ師『イスラエルは殺人マシーンだ』とも言っているのだ。イランのザリーフ外相も『世界にとって、最大の敵はイスラエルだ』と言っている。何故ここに来て、そうした過激な発言が、イラン側から出ているのであろうか。
同時に、レバノンのヘズブラのボスである、ナスラッラー師も同じような、激しいイスラエル非難の言葉を、浴びせかけている。だが、ヘズブラが単独で、イスラエルに武力攻撃を仕掛ける、とは思えない。
こうした激しいイスラエル非難の言葉が、出て来る原因と思われるのは、世界の非難を、ものともせずにイスラエルが、ヨルダン川西岸地区の併合を、強行に進めているからであろう。
イスラエルがこの世界の、非難をものともせずに、ヨルダン川西岸地区の併合を進めいるのは、もし、アメリカの大統領選挙で、トランプ大統領ではなく、バイデン候補が当選することになれば、イスラエルにとっては、きわめて不利な情況になり、ヨルダン川西岸地区の併合は、出来なくなると考えているからだ、ということだ。
確かに、その事からかイスラエルは現在、猛スピードでヨルダン川西岸地区の併合を進めているし、それに対してトランプ大統領は、イスラエルに対する直接的な、非難の言葉は送っていない。トランプ大統領はヨルダン川西岸地区の、併合については、平和的に進めるべきだ、と言っているに過ぎないのだ。
もう一つ考えられる、イランとヘズブラによる、イスラエル非難の理由は、多分に国内問題があるのではないのか。イランもレバノンも国内経済状況は、相当苦しくなってきており、レバノンなどは国家の破産が囁かれ、大衆は食料の入手にも、事欠く状態になっている。
イランはといえば、述べるまでも無く、コロナ禍で国内の経済活動は、停止状態にあり、モスクでの礼拝ですら、禁じられている、ということのようだ。そのコロナ禍からの逃げ道は、未だに明らかになっていない。
イランはさすがに大国だけあって、国民が食料の入手に、こと欠いている、という状態には至っていないが、経済的に苦しいことは事実だ。それで、ハメネイ師は国民の怒りを、イスラエルに向けようとしている、ということであろう。
ただ、これは単なるジェスチアであり、イランが明日にでもイスラエルにミサイルを撃ち込むことはない。イランとイスラエルとの関係は、きわめて特殊なのだ。これまでも何度と無くイラン・イスラエルの緊張場面があったが、一度も軍事衝突にはいたっていないのではないのか。