トルコがここに来て再度金利を、下げる決定を下した。これは何を意味するのか、興味深いところだ。何故ならば、トルコが高金利を設定していたのは、外国からの投資を、呼び込むためであったからだ。
今回の金利引き下げの正式決定は、5月21日の経済金融専門家の会議の後、ということになる。金利の下げ幅はまだ明かされていないが、大幅なものになるとは思えない。そんなことをすれ外国からのトルコへの投資は減り、ますます外貨事情は、厳しくなると思われるからだ。
それでは何故トルコ政府と言うか、エルドアン大統領がこの期に及んで、金利引き下げを、決断をしたのかというと、多分に巨額の借り入れに対する、金利支払いが元金と合わせて。巨額に上るからではないのか。
金利は連結しており、国内への投資目的の金利を、高く設定して入れば、外国からの借入金に対する金利も、それと同じようなものになろう。金利引き下げによる、外国からの投資は減ったとしても、借り入れている金に対する金利を、引き下げることが出来れば、その分楽になる、という計算ではないのか。
トルコはいま、巨額の対外債務を抱えており、外国から借り入れなくては、この局面から脱出することは出来まい。そのため、トルコ政府はカタールやイギリス、中国そして日本からの、借り入れに動いている。今回のこれらの国々からの借り入れは、巨額に上ることることを、目論んでいるものと思われる。
その新たな借り入れに対する、金利を低く設定したい、ということであろうか。だが、そんな小細工が、効果をもたらすとは考え難い。IMFからは敗北を認めろ、という感じの強硬な指導があるが、何とかIMFの攻勢から、逃れたいのであろう。
エルドアン大統領はこれまでも、何度となく、金利を上げたり下げたりという小細工を、繰り返してきている。それで何とかやりおおせてきた、と考えているのであろうか。だが今回は駄目なのではないか。それが明らかになった時は、トルコの経済に対する信用が、がた落ちになり、もっと酷い情況になるのでは無いか、と思われる。