『コロナにゆれる中東諸国』

2020年5月18日

 コロナの拡大の勢いは、あまり衰えていないようだ。このため、アラブ各国は相の被害を受けている。観光立国は特に酷いようでトルコ、ドバイ、レバノン、チュニジア、エジプトなどは、その代表格であろう。

 それでも各国は、何とかいまの状況から、抜け出そうと必死だ。レバノンではコロナの影響で、経済は全滅状態にあるが、封鎖を緩めて何とか、外人観光客を呼び込もうとしている。このため、冒険なのだがレバノンは、封鎖を止めると言い出している。

 その結果がどうなるのかは、アッラーだけが知るところであろう。エジプトはこれとは全く異なり、ラマダン中のモスクでの礼拝や集会は、全面禁止にしてきており、ラマダン後のイードルフィトルの礼拝も、モスクでは禁止だ、という厳しいお達しを、出している。

 チュニジアではコロナの発症が、5日間途絶えたことで、封鎖を緩和する方針だ。しかし、コロナは2次感染ということもあるので、油断は出来まい。隣のリビアでは、戦時下であるにもかかわらず、6月中旬からは学校を、再開する方針だ。

 アラブ首長国連邦のドバイは、日本人にはショッピングと、プチ砂漠旅行で知られている国だが、ここではショッピング・モールから・コロナを追放する努力が、払われているようだ。

 イランではラマダン明けから、スポーツ・スタジアム、大学、ショッピング・モール、モスクが開放される予定になっている。ただし、イランでは相変わらず、コロナが猛威を振るっており、危険な賭けといえよう。

 カタールではマスクを着用しない者は逮捕され、3年の刑に服さなければならない、ということのようであり、人口の少ないこの国では、必死に国民を保護しようとしている、ということであろうか。

 最後にトルコだが、この国でもコロナは猛威を振るっている。観光事業を守るために、政府はコロナの発生を隠し、感染者についてもごまかしてきたが、遂に危険レベルに達し、感染者数を公表するようになった。

 トルコはワクチンの開発や、マスクの製造、検査キットの生産を進めており、多くの国に援助品として送っているし、食糧支援などもしている。だが、トルコそのものはと言えば、感染者の数が10万人を超え、死者数は4140人を超えている。

 コロナは暑さに弱いという説もあるが、あまり信じられない。エジプトのような、既に夏の気温になっている国でも、感染者数は増えているのだから。それでも清潔度や人口を考えると、少ないのかもしれない。WHOに言わせると、コロナとの戦いは長期に及ぶそうだが、一日も早く終息して欲しいものだ。