サウジアラビアの経済状態は、決していいとは、言え無いようだ。これまで世界の富の象徴のように言われていた、オバキュー・スタイルのサウジアラビアの、デシダーシは貧困を象徴する衣服に、なってしまうかもしれない。
第一の災難は、石油価格の大幅下落であり、ブレントの原油価格は65、6パーセントも下がっている。それはOPECの協調減産の効果が出ていない、ということの証明でろうか。OPECの減産は5月から実施の、予定になっていた。
こうしたことから、ARAMCOは今年第一四半期に、利益を25パーセントも、下げているのだ。
次いでの問題は、コロナの影響が拡大していることだ。サウジアラビアでは今の段階で、コロナ感染者が42925人となっており、264人が死亡している。このため、サウジアラビアではラマダンのイード(お祭り)期間中でも、外出禁止令が厳しく、実行されることになった。外出禁止が実行されるのは、5月23日から27日の、イード期間となっている。
現在では朝の9時から、夕方の5時までは、外出が許可されており、この時間帯にはショッピングが可能となっている。サウジ人はこの時間帯には、自由に外出することが、出来るのだ。
しかし、メッカに限っては完全な封鎖となっており、ラマダン開けのイードでも、メッカで礼拝することは禁止されている。多くの巡礼客がメッカ訪問後に、コロナに感染したためであろう。トルコからはメッカ帰りの巡礼者が、ほとんどコロナに感染した、という報告があったほどだ。
最後の、サウジアラビアにとっての悪いニュースは、消費税が3倍の15パーセントになったことであろう。実施は6月の1日からとなる予定だ。
消費税がサウジアアビアで施行されたのは、2年前からであり、それは石油収入が激減したためだった。当時、消費税は5パーセントとされていたが、今回の経済苦で遂に、15パーセントに跳ね上がったということだ。
ここまで、サウジアラビアの経済状態が悪化したのは、石油価格の急激な値下がりと、コロナによる経済活動の、停滞が原因だ、と言われている。
アラブの諺には『ヤウムアサル・ヤウムバサル』というのがある、日本語に直すと、『いい時もあるが悪い時もある=ある日は蜂蜜であり、ある日は玉葱だ』ということだ。いまはまさに『ヤウムバサル=玉葱』なのであろう。