トルコは周辺諸国との戦闘を、継続しているなかで、コロナとも闘わなければならない環境にある、そのことがトルコをして、二重の困難に陥れているのだ。しかし、コロナの影響は必ずしも、悪いことばかりではなさそうだ。
例えば、トルコにとって最大の問題であり敵である、クルドのPKK組織はコロナが発生した結果、活動をスケール・ダウンしなければ、ならなくなっている。それはシリアでもイラクでも同様なのだ。
コロナの拡大は経済にダメージを与え、健康問題を拡大させている。それは社会全体に大きな影響を与え、社会そのものが変革する動きになっている。国によってはその事が、自国の治安問題を生み出すことにもなっている。経済の急激な悪化は、治安に悪影響を及ぼすのだ。
例えば、トルコの場合アフガニスタンからソマリアまで、派兵しているが、彼らの安全を守らなければならない。もちろん、シリアやイラクでも同様だ。コロナは国家を崩壊させる危険性すらあるのだ、
コロナは難民の移動にも拍車をかける、トルコのような医療設備の整った国には、難民の形で、コロナから救われたい人達も、流れ込んでくるのだ。もちろん、それはトルコ政府に大きな負担となる、ということであり、人道の見地からはそれを、拒否出来ないのだ。
PKKは山岳に陣取っているが,そこでもコロナは拡大しており、PKKは対トルコ軍との戦闘に加え、コロナへの対応に苦慮している。当然その結果は、PKKの活動を低下させるということだ。そして、そうした地域の一般人も、マスクを必要とし、医療支援も受けたいと望んでいる。
いまトルコ軍が活動している、シリアのイドリブでも、コロナは拡大しており、その事はトルコ軍に少なからぬ影響を、与えるということだ。従ってトルコ軍は緊急の対応を、必要としている。
イラクなどは石油の価格値下がりがあり、経済は悪化の一途だが、イランとの貿易だけではカバー出来ないし、イランではコロナが、大繁殖しているのだ。こうした状態が多くの問題を、生み出すことになるので、トルコ政府はとりあえず、シリアを手薄にして、イラクに対応をしなければ、ならないだろう。
トルコ政府は同時に、コロナは一般人だけではなく、軍や国境ガード軍、情報部員にも及ぶということを、忘れるわけにはいくまい。コロナは見えない姿で、刻一刻とトルコ人に襲いかかっているのだ。
アメリカはこの情況にどう対応するのであろうか。アメリカは自国の国益のために、コロナで戦略を変えはしないだろう。コロナには変化が無く、今後も中東諸国や太平洋諸国で拡大して行こう。こうなるとアメリカは自国軍兵士に代えて、傭兵の活用を拡大させるだろう。加えて、ドローンやロボットの活用も拡大しよう。つまり、コロナはあらゆる面に変革を、強いることになるということだ。