『レバノンが医療目的でマリファナを合法化』

2020年4月22日

 

 レバノン政府は今後、マリファナを栽培することを、合法化するという法案を決議した。この結果、レバノンの農民はマリファナの栽培が、正式に認められることになる。レバノンはもともと、麻薬の本拠地のようなところだった。従って、合法的にマリファナの栽培が、認められれば、医療用だけではなく、他の目的にも使用されることになろう。

 しかも、レバノン商人は知恵者であり、その知恵を使っての商いとなれば、マリファナは世界中に売られることになろう。加えて、中東は何処もマリファナの使用は多く、これまでは非合法であっても、取り引きは相当な額に、なっていたものと思われる。時折、戦闘のニュースで出てくる、ベカー高原などはそのマリファナの産地だ。

 レバノンがこのような麻薬の栽培と、取引が可能だったのは、同国が国家であって国家でない、部分があったからだ。地域は各部族や宗派の、支配下となっており、そこには政府の力は充分には及ばず、取り締まりが出来ていなかったからだ。

 何故この時期に、レバノン政府はマリファナの栽培を、正式に認めたのであろうか。その説明は簡単だ。イスラエルが医療用ということで、マリファナの栽培と取引を、正式に認めたからだ。

 イスラエルに言わせると、マリファナには医療で役立つ成分が、多く含まれているので、これを使うという、大義名分があるのだ。それならレバノンもそうしよう、ということではないか。最近のように、コロナの騒ぎが人心を不安に陥れることが、大きくなっていることも、その一因かもしれない。マリファナを吸って、心の闇から解放されたい、と考えている人の数は、少なくなかろう。

 マリファナが栽培されることになれば、どれだけが作付けされ、どれだけの収穫量があったのかを、きちんと記録しなければ、ならないだろう。そうでなければ、極端な言い方をすれば、10パーセントが医療用に使われ、残りの90パーセントが麻薬として、使用されるということが、起りえよう。

 農民にしてみれば、生産されたマリファナの多くが、虫に食われたとか、天候不順で収穫が減ったとか、幾らでもごまかすための、口実は幾らでも考え付こう。そうなれば、ヨーロッパ諸国には大量のマリファナが、安価に流れるということだ。もちろん、その先にはアメリカの市場もあるのだ。