『サウジ皇太子の新プロジェクト反対で部族幹部殺される』

2020年4月15日

 

サウジアラビアのタブークは、預言者ムハンマドの時代から、知られる街だ。それだけにこの街の住民には、強いプライドがあるのかもしれない。今回はサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が始めた、新開発計画に反対したことで、タブークのアブドルラマン・アルホエイテイは軍に取り囲まれ、射殺されることになった。

 その模様はビデオに撮られ、インターネットで伝えられたことから、広く知られることとなった。ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が始めた新開発計画にとって、ホウエイテイの自宅はタブークのクライバ地区にあり、邪魔だったのだ。そのため取り壊しを始めることになり、それにホウエイテイは強硬に抵抗して、今回の事態に至ったようだ。

 軍の車両に取り囲まれたホウエイテイの自宅は、多数の銃弾が撃ち込まれたということだ。ホエイテイは部族のメンバーであり、しかるべき重みを持つ、人物だったのであろう。彼の属する部族はホウエイタトと呼ばれる、サウジアラビアの中でも大部族なのだ。

 一体ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は部族員を殺してまで、どんな新開発計画を考えていたのであろうか。彼はヨルダンやエジプトに近いタブークに、26500平方キロの広さの土地を開発し、7つの都市を設立し、そこに工業地域と、エネルギー地域、バイオテクノロ地域、食品地域、観光産業地域を興そうと思っている。

なお、このプロジェクトの総予算は、5000億ドルだというのだから、途轍も無く巨大なプロジェクト、ということのようだ。建設工事が進めば、日本企業に対しても、進出を呼びかけてくるのではないか、と思われる。