エジプト政府は観光立国だけあって、今回のコロナ蔓延は、死活問題なのであろう。何とか外人観光客を呼び込もう、と種々の努力をしているが、そのなかで興味があったのは二つだ。
ひとつはコロナで死んだ人を、何処に埋葬するか、という問題だが、死者の出身地では、その家族の墓地に埋めてはならない、という反対が住民から起り、大分もめているようだ。
本来、コロナの菌は罹病者が死亡した場合には、拡大しないといわれているのだが、どうもその事を政府は分かっていないし、住民も分かっていないようだ。まあ日本でも同じで、死亡した家族と遺族が直接会ってはならなとしている。死者の体からはコロナ菌が出ない、ということを確認して、伝えるべきではないのか。
もうひとつは、お笑いの類なのだが、ピラミッドもどうやらコロナに、感染するのを恐れているようだ。スフィンクスにマスクはつけていないが、ピラミッドの周辺ではコロナ対策に消毒液を散布している。これは写真で伝えられているのだから、間違いあるまい。
エジプトの季節はもう初夏、そうだとすれば昼の気温は、戸外では40度をはるかに超えよう。確かコロナ菌は、42度以上で死ぬ、と伝えられていたのだが、どうなっているのだろうか。
どうもこうした報道を見ていると、コロナ菌の特徴が、分かっていないのではないのか、ということだ。これまでもアルコールで治ると言い、闇酒を呑んで40人も死亡した、イランの話や、人に集まるなと言いながら、スーパーなどには多数が集まる日本の話、タクシーの話など、後を断たない。
もちろん、専門家も分かっていない、と言ってしまえば、それまでの話なのだが。政府はきちんと情報を整理して、伝えるべきであろう。そうしないと、ピラミッドやスフィンクスに笑われることになろう。
何せ、コロナは戦争よりも怖いということで、シリアのトルコにいる難民は、何十万単位で、一番戦闘が激しい、イドリブに帰っているそうだ。まあそれを考えたら、ピラミッドやスフィンクスが、コロナに感染することを、怖がるのも無理からぬことであろうか。