4月12日に、トルコのソユル内相が、辞任意向を明らかにした。しかし、これはエルドアン大統領によって拒否され、ソユル内相はそのポジションに、今後も留まりそうだ。
一体、何がソユル内相を辞任に、追い込んだのであろうか。実はコロナの拡大が原因であり、ソユル内相はコロナ対策のために、週末の外出禁止令を出した。しかし、これは大きな動揺と反発を、国民から受けることになった。
外出禁止令には31の県が含まれ、アンカラ、イスタンブール、イズミールといったトルコの大都市が含まれていた。国民はこの外出禁止令に、相当なショックを受け、右往左往したようだ。
ソユル内相の出した外出禁止令は、食料の購入のための、マーケットやパン屋まで閉める、というものではなかったようだ。
しかし、あまりにも大きかった、国民の動揺を前に、ソユル内相はその責任を感じて、辞任を言い出した模様だ。
こうしたことはトルコに限らず、何処の国でも起りうることであろう。日本でも小池都知事の使った、ロックダウンという言葉が、都民に大きなショックを与え、買出しに都民を走らせ、スーパーでは商品が消える、という現象が起こり、小池都知事への非難が燃え上がった。
しかし、彼女の強い表現は、コロナの感染拡大阻止には、役に立っているのではなかろうか。確かに、その後もコロナの感染は拡大しているが、もし小池都知事が、緊急発言をしていなかったら、もっと酷い状況になっていたものと、思われる。
日本人は緊急事態ということに対して、相当神経が鈍っており、特に若者はその後も、3密を破っている。これではイタリア並み、あるいは、アメリカ並みの死者が出る、恐れがあるのだ。
今回のトルコ内相の辞任発言は、少しあわて過ぎたのではあるまいか。政治を担当する者は腰を落ち着けて、あせらずに政策を推進していく、必要があろう。