『スリー・ファイブが再復活エジプト』

2020年4月 6日

 エジプトでは懐かしい品物が、復活し人気を呼んでいる。それはスリー・ファイブというオーデ・コロンだ。このオーデ・コロンは1920年代からあるものらしく、エジプト人なら誰でもが知っている品物だ。過去2週間で売れに売れまくっているようだ。

 スリー・ファイブは外国から輸入した、エチル・アルコールをベースにしており、アルコール濃度は70パーセントのものと、90パーセントのものがあるようだ。最近ではこのスリー・ファイブは忘れられ、各家庭の片隅に片付けられていたようだ。

 それが人気を復活させたのは、ワッツ・アップやフェイス・ブックで効能が、伝えられたからだ。高濃度のアルコールということは、消毒効果が高いからだ。これで大体の人には想像がついたと思う。

 実は、スリー・・ファイブが市民権を復活させた秘密は、コロナの流行によってだった。この高濃度のスリー・ファイブで、手や顔を消毒すれば、安全が保てるということだ。確か香りは、レモンかライムのようなものだったような気がする。

 製造元はケスマ・アンド・チャブラウイッチ社であり、忘れられアウトレット・ショップで中古品扱いされていたものが、掘り起こされたということだ。それを買い求めるために、最近ではこのケスマ・アンド・チャブラウイッチ社の、オーデ・コロンを買う人達の、長蛇の列が出来上がっている、という話のようだ。

 間口の狭い鉄の扉のある店の奥に、このスリー・ファイブは積まれてあるのだ。その会社は一社だけが代理店権を持っており、そこから他の店が仕入れて、販売するということだ。

 50歳のカリマさんはスリー・ファイブを、近所のファーマシーに出向いて、買い求めようとしたのだが、売り切れだったということだ。彼女の場合このスリー・ファイブの効能を知ったのは、報道によってだった。もちろん価格はアウトレットの店の方がファーマシーより、も安いに決まっている。

 女性たちが作る長だの列では大声で怒鳴りあう姿が見られ、ある女性は「私の方が先よ」と叫び、それに対してある者は「会社から言われて価格を調べに来ただけで買うつもりは無い」と叫んでいる。

 スリー・ファイブの正式な価格は、36エジプト・ポンドであり、およそ30円ぐらいであろうか。安くていい香りがして健康を守ってくれるのだから、これほどすばらしい商品はあるまい。日本にもそれに類したものが、あるのではなかろうか。