『キルクーク近郊でISがテロ攻撃3人負傷』

2020年4月29日

 イラク北部のキルクークに近い、カーデシーヤのイラク軍情報部事務所に対する、IS(ISIL)によるテロが起きた。このテロで死者は出なかったが、3人が負傷したと報告されている。テロリストは爆弾入りベストを着ていて、手榴弾を投げた後に攻めてきた、ということだ。

 もちろん、このテロリストは死亡したが、運転手は逃げおおせたようだ。しかし、IS(ISIL)側はまだ、犯行声明を出していない。だが、犯行の手口からIS(ISIL)に間違い無い、と現地の司令官は、判断している。

 2014年までは、イラクとシリアの3分の1程度を、支配していたIS(ISIL)は、いまではその戦闘員の数を減らし、隠れて行動を続けている始末だ。だが、スリーパーはいまだ残存しており、侮れないということだ。

 今回IS(ISIL)がテロ作戦に成功したのは、キルクークがイラク・クルド自治国の支配下にあり、イラク政府との緊密な連絡が、取れる情況にないためだ。そこがIS(ISIL)側の付け目であったろう。

 また、イラク北部からは既に、アメリカ軍は撤退しており、アメリカ軍側からの情報も、入手できなかったということだ。その事は、今後アメリカ軍がイラクの中部や南部から、撤退していくことになれば、IS(ISIL)側はテロ攻撃を、かけやすくなるということだ。

 首都のバグダッドやアンバルからは、アメリカ軍が一部撤退していく方向ある。その事はバグダッドやアンバルも、危険にさらされることに、なるということであろう。

 カーデシーヤの司令官は、IS(ISIL)がテロ作戦を仕掛けて来ることは、分かっていたが何時になるかまでは、分からなかったと語っている。デヤラやサラーハッデーンでもマイナーなテロは、繰り返されてきていた。