『トルコ・リラ下げる6・575』

2020年3月31日

 トルコの通貨リラがドルに対して下げているようだ。遂に6575にまで下がったのだ。一年ほど前は確か48ぐらいだったような気がする。トルコのリラが下がるのは、当然であろう。

 第一に、世界の景気が後退していること、コロナの蔓延で往来が減り、観光立国のトルコは、直接的なダメージを受けている。加えて、シリアでの戦争とリビアでの戦争に、首を突っ込んだのだから、その費用は馬鹿になるまい。

 リビアへの派兵はセラジ首相の、依頼によるものだったろうが、そのリビアの西側政府、セラジ首相の政府は国連の承認ということだが、実際にはリビアをほとんど、支配していないのだ。

 リビアの石油は同国の南東部に、ほとんどがあるのだが、そこは東側政府のハフタル将軍が支配しているし、石油積出港も彼の支配下にある。これでは西側政府には、金が入って来ないだろう。

 そうなると、トルコが派兵している、シリアのミリシア部隊が、給料をもらえなくて、当然であろう。金の出元であるはずの西側政府が、金欠状態にあるのだから。トルコには兵費用が、支払われるはずもあるまい。

 観光にしても然りで、これまではコロナは発生していない、と嘘の報告をしてヨーロッパなどから、観光客を呼び込んでいたが、ここまで来るとそうも行かず、実数が出て来るようになった。エルドアン大統領は2ヶ月で、コロナを撲滅すると言っているが、そう簡単ではあるまい、

 トルコのコロナ罹病者数は9217人前後だが、死者も131人を超えている。これでは観光客が来なくなるのは、当然であろう。そのトルコ経済に与える影響は、甚大であろうと思われる。多くの人が、直接間接関わっているのが、観光事業なのだ。ホテル、レストラン、カフェも、タクシーも上がったりであろう。

 そして、シリアへの派兵、シリアで抱えているミリシア部隊への給与支払い、シリア難民に対する支援と、金の出ることは沢山ある。そしてリビア派兵となると、もうそれだけでトルコの財政がパンクしないのが、不思議なくらいだ。

 最近ではアメリカとの関係も、ロシアとの関係もよくない、どちらかというと、敵対関係にあるのだから、ますますトルコに対する評価は下がろう。加えて、エルドアン大統領の自慢のメガ・プロジェクトで、大金が出て行くのだ。

 トルコの国民はとんでもない夢想男を、大統領にしてしまったのであろうか。