観光立国トルコはコロナの罹病者数を、隠して来たのではないか。しかし、ここまで来るとそうも行かなくなり、信頼できる数字を出し始めている。トルコ人でサウジアラビアのメッカに出向いた、オムラ(小巡礼)巡礼者たちはほとんどが、コロナに罹病してきているようだ。
イスタンブール市ではイマモール市長が、コロナに罹るのは老人だけではない、若者も気をつけろ、と言い出している。しかし、陽気で明るいトルコ人は、なかなかこれまでの生活スタイルからは、抜けきらないかもしれない、
だが、イスタンブールのグランド・バザールはがらがらで、客が来ない。これでは商売になるまい。もちろんレストランもカフェも然りだ。つまり、トルコの都市部は全体が、死に体ということだ。
この前、サウジアラビアのメッカの写真が、インターネットに掲載されていたが、通常であれば何時でも、オムラ客で込み合うカーバ神殿の周りに、数人しか人がいない。メッカも観光収入で成り立つ街なだけに、これは住民の生活を、圧迫していることであろうと思われる。
しかし、悪い話ばかりではない。多くの町で環境が改善されたとか、川の水が綺麗になったという報告もある。ベニスの水もは水が澄んで、綺麗になったということだ。そのことは、通常はいかに観光客や住民が、水を汚しているかの証明であろう。
数キロ続く、イスラエルのテルアビブの海岸も然りで、最近ではゴールデン・ビーチと表現されていた。それだけ綺麗になったということであろう。
ヨルダンではコロナが原因で、外出禁止令が出されたが、軍隊や警察が食糧を各戸に、配布している写真が出ていた。小池都知事は、あるいは外出禁止令が発令される、と言っているが、彼女の頭のなかには、東京都民の生活を支える、食料配布の考えがあるのであろうか。
老人や貧しい家庭では、食料の買い貯めもままなるまい。そうした住民には死ねということなのか。問うてみたいものだ。
あえて言えば、コロナが大流行することにより、外出が禁止され、家族の結びつきが強くなった、という報告もある。世界中が助け合わなければ、という動きになってきてもいる。加えて、コロナと戦争を二つ抱えることは、その国の死活問題になってきている。
ブラックユーモアのような話だが、コロナは世界を平和にしてくれるのだろうか。