コロナの世界的蔓延は、誰もが知るところだが、その影響は各種各様だ。一番広範囲わたっている被害は、観光産業であろう、中東のエジプとやトルコは、観光立国と言って良いほど、観光収入に頼っている国だが、それが立ち行かなくなっているのだ。
観光産業は裾野が広い、タクシー運転手からレストラン、みやげ屋にホテルなどいろいろだが、一番困るのは政治家と、一般の小さなビジネスを、やる人達であろうか。道で安物のお土産を売る子供たちは、相当困っていることであろう。
エジプトでは売り物のナイル・クルーズ船で、コロナが出たために、この仕事は船の乗組員が逃げてしまい、立ちかなくなっている。ピラミッドや博物館も、人が多く集まるということで、誰も行かなくなろう。
欧州諸国もしかりであり、観光客の多いイタリアの街は、閑散としているというし、国内移動にも制限が強化されている。バチカンも然りであり、カトリック教会は礼拝を、中止しているそうだ。
スペインも然りであり、サグラタファミリアも観光客を、受け入れていないようだ。観光に重点を置いている国では、経済が受けるダメージは相当なものであろう。問題はその後の立ち上がりが、効くのかどうかだ。外国の資金に主要観光産業が、乗っ取られてしまうのではないか、という懸念が沸く。
トルコのエルドアン大統領は、空飛ぶ大統領と言われるくらいに、外国訪問が好きな大統領なのだが、コロナの蔓延で外国行きを止めた、と報じられている。彼のような短気な人物が、自分の好きなことが出来なくなると、その鬱憤を他の形で、爆発させるのではないか。例えば、シリア難民のヨーロッパへの追い出し問題や、シリアでの戦闘だ。
危険な現象が次々と、生まれてくるのではないだろうか。つい最近新党を結党した、元財相のアリ・ババジャン氏は、もう一人の元首相だったダウトール氏に比べ、国民の間で、人気があることから、エルドアン大統領に警戒されている。
あるいは、エルドアン大統領は難癖をつけて、アリ・ババジャン氏の党を潰しに、動くかもしれない。権力者はあることでもないことでも、問題があるとして裁ける、ましてやトルコのような独裁国家では、それが容易であろう。
つまり、コロナ問題が拡大すると、それは国民の健康の問題だけではなく、難民問題や、経済問題になり、遂には政治問題にも発展してしまう、ということだ。日本でも緊急対処法などが話し合われているが、それらは大丈夫なのだろうか。