トルコはアメリカと同じように、シリアの石油を狙っているようだ。しかも、それは二股をかけたものであり、ロシアと共同でシリアの石油を盗む案を、提案したということだ。同時にトルコはアメリカに対しても、同じ申し出をしているのだ。
アメリカは既にシリアのユーフラテス川東岸で、シリアの石油を盗掘し、ずうずうしいことにそれをアメリカ軍が帰国した後は、エクソン社に任せたいとも、トランプ大統領は語っている。
アメリカはシリアの石油を、独占したいと思っているし、ロシアはシリアを支援して、シリアの管理下に置こう、と考えているであろう。従って、このエルドアン大統領の考えは、成功しないだろう。
トルコがリビアに派兵した、シリアの傭兵については、どうやらリビアからシリアの傭兵を、ヨーロッパに送り込ませよう、と考えているようだ。このことで、ヨーロッパ諸国が混乱すれば、トルコにとっては有利になる、という計算であろう。
トルコはリビアにシリア傭兵を4750人送り込んでいるが、そのうちの117人は既に戦死している。あわせてハフタル軍側の語るところによればトルコ兵も16人が戦死しているということだ。
エルドアン大統領の考えることは、めちゃくちゃという感じがするのだが、本人はいたって真面目なのであろう。この結果、シリアの傭兵についてはヨーロッパのすべての国を、敵に回すだろうし、トルコ兵の死亡は述べるまでもなく、トルコ国民のなかに反エルドアン感情を、高めることになろう。
リビアについては、エジプトとアラブ首長国連邦が、トルコのリビアへの戦略物資輸送を、阻止するために、トルコ船への攻撃を、開始する模様だ。そうなれば、リビア国内のトルコ軍は、孤立することになろう。
トルコ国内では失業率の問題が、大きくなってきている。一昨年の失業率から昨年末には0・2パーセント上がり、失業率は13・7パーセントに拡大している。もちろん、これは全体の割合であり、若者の失業率はそれよりも高いのだ。実は実際の失率全体で、17パーセントだという報告が、調査機関や野党から出ており、13・7パーセントという数字は、政府の誤魔かしだ、ということのようだ。
これらの諸問題は、いずれもトルコには不都合な方向に、向かって推移している、というとであり、やがてはエルドア大統領を、追い込むことになろう。