『シリア青年戦時下の母国へ帰る』

2020年3月 4日

 トルコが激しい戦闘を繰り返しているシリアへ、トルコに難民として逃れてきて、安全な生活をしていた、シリアの若者たちが帰国する、というニュースが伝わってきた。それは大変な決心が無ければ、出来ることではあるまい。

事実、それを語った23歳のアハマド・カラフは、祖国へボランテアの戦闘員として、帰国すると語っているが、彼の今後の生死については、分からないとも付け加えている。つまり、死ぬことも覚悟して、帰国するということだ。

彼ばかりではない、複数のシリアの青年たちが、彼と同じように帰国し、イドリブで戦列に加わるつもりでいる。その数は100人を超えており、年齢は20歳前後だということだ。

ある若者は『私はジハードに行くのだ』と語っている。彼らはシリアに帰国し、SNA(シリア国民軍)に参加するのだ、と語っている。このSNAはトルコ政府が支援している、戦闘集団の組織であり、シリア政府軍と戦っている。

レガル・ハンマーデイ20歳は『俺たちは生きるか死ぬか分からないが、勝利する。』と語り、トルコ軍を支援するのだ、ということだ。こうした若者の中に、70歳を過ぎる元空軍の将官がいる。彼の名はズハイル・カースムだが、彼は、『アサド大統領が俺たちの家を破壊し、子供たちを殺した。』とアサド大統領を激しく非難している。

ズハイル・カースムに言わせると『トルコにはシリアに侵攻する権利があり、いまではシリア軍は民間人に、爆弾を投下することが出来なくなっている。最終的にはアサドが敗れ、トルコが勝利する。』とも語っている。

現在の戦況はといえば、トルコ軍がシリア軍の攻撃で、36人の兵士を失い、ロシアは『トルコがジハーデストを追放出来なかった。』と極評している。ロシアに支援されるシリア軍は、トルコの支配する広大な地域を、奪還してもいる。

そうは言っても、戦局は今後そうなるかは、まだ見えていない、これからもシリアが押した、りトルコが押し返すということの、繰り返しになるのではなかろうか。