『リビアの国内動向とトルコ』

2020年2月19日

国の盛衰は時の運と流れか。トルコはここに来て、大分世界中から、敵視されているようだ。その原因は、トルコが外国に関与する件数が、増えているからであろう。

いま問題になっているのは、トルコのリビアへの介入だが、誰もトルコは悪い、とは公には語っていないが、実際はトルコに対する非難の結果、出てきている状況であろう。

まず、最初にご紹介するのは、EU諸国がリビアへの武器搬入を、阻止するために合意し、EU
連合の海軍部隊を、地中海に送り、そこでリビアに武器を搬入する船を、阻止するという動きだ。

これには当然のことながら、トルコが反発している。トルコに言わせると、トルコが敵対する、ハフタル将軍側に渡る武器は、陸路で入ること、また空路も可能であるのに対し、セラジ首相側への武器は、もっぱら海を通じてとなっている。従ってトルコに言わせると、
EUの今回の決定は、不平等だということになる。

このEU
の決定が実行されれば、トルコはリビアに武器を、搬入するのがほとんど、不可能になろう。そうなれば、セラジ首相側の軍は、ハフタル将軍側の軍に対抗できなくなる、ということだ。

もう一つ、トルコにとって不都合なことが、起こっている。それはハフタル将軍側が、トリポリ港とトリポリ空港を、攻撃していることだ。トリポリ港にはトルコからの、兵員や武器が運ばれてきているし、トリポリ空港もしかりであろう。

しかし、トリポリ空港への攻撃で、トルコ側は同空港が閉鎖されたために、空路は閉じられたということだ。これではトルコ軍の顧問団や、重要な武器は搬入できなくなる、ということだ。

加えて、大型の戦車、装甲車、大砲などは、船で運ばれるわけだが、これも不可能になったということだ。これでは精強なトルコ軍と言えども、ハフタル軍の前には、手が出せなくなってしまおう、ということだ。

トルコ軍は結果的にハフタル将軍側に包囲され、多数が戦死するかもしれない。シリアでもしかりなのだが、エルドアン大統領は戦争による死傷者の数を明かしていない。リビアでもしかりであろう。

そうしたことから、トルコ国内では軍、クーデターを起こすのではないか、という噂がもっぱらだ。軍もここまでくると、黙ってはいられない、ということであろう。