『ロウハーニ辞任意向・ハメネイ師と対立』

2020年2月19日

イランのロウハーニ大統領が、辞任の意向を語り始めている。彼が大統領職から辞任したいという意向は、以前にも2度ほど語られていた。最初は大統領に就任して、2
か月後のことだった。

彼は当時、ほかに適切な人材がいるのなら、自分は大統領職から降りると語っていたが、ハメネイ師が辞任を止めている。今回の辞任の話は、金曜日に行われる国会議員選挙を、前にしたものだった。今度の国会議員選挙には、保守派に言わせると、問題の多い立候補者が、多数いるということだ。

その問題のある立候補者とは、穏健派や改革派の人たちのことだ。ハメネイ陣営では、そうした問題ある候補者が、半数以上を占めている。ロウハーニ大統領は選挙で、保守派が敗北する責任を、取りたくないということであろう。

イランはいま、欧米によって経済制裁を受けていることや、ウクライナ機の撃墜問題、核開発をめぐる欧米との対立など、多くの難問を抱えていることは確かだ。

ロウハーニ大統領の任期は、まだ2
年残っているが、その前の辞任はどうなのであろうか。彼は国民に約束したことを、達成するまでは大統領職を務めたい、とも語っている。

ロウハーニ大統領の穏健な微笑は、対外関係に大きなプラスに、なってきたと思うのだが。彼は社会的自由も、訴え続けてきていたし、西側諸国との関係改善による、国民の生活レベルの向上も、訴えてきていた。それがハメネイ師には、不愉快なのであろうか。

ハメネイ師の陰湿な表情に比べ、ロウハーニ大統領の表情は、常に笑みをたたえており、会う人に安ど感を、与えているのであろう。ロウハーニ大統領が辞任することになれば、イランと欧米との関係は、益々悪化しよう。

そうなれば、革命防衛隊はイラン国内外のあらゆる面で、もっと力を持つことになり、ブレーキが利かない状態に、なるのではないか。革命防衛隊はイランのシーア派の弧を創る役割、イラク、シリア、レバノン、イエメンの抱き込みを、進めてきたイラン最大で最強の過激組織だ。