『リビア内戦は終息が近いか』

2020年2月17日

 リビアのセラジ首相が、情けないことを、言い出している、彼曰く、リビアは反対派のハフタル軍が、オイル・ターミナルをコントロールしているために、石油輸出が不可能となり、国家予算が大幅に、減っているというのだ。

 リビアの石油生産量は、以前は120BDであったが、最近では、163684BDまで落ち込んでいる。もし、現状のままであれば、最終的には72000BDまで、下がってしまうということだ。今回の石油減産で、リビアは140億ドルの、損失を生んでいるということだ。

 リビアの内戦は、セラジ政府とハフタル軍の間で、戦われているわけだが、どうもハフタル軍の方が優位なようだ。それは、ハフタル軍には多くの外国が、支援を送っているからだ。アメリカやロシアそれにフランスも、ハフタル軍側支持であり、アラブのエジプトやアラブ首長国連邦、サウジアラビアもハフタル軍側の支持に回っている。

 セラジ政府側を支援しているのは、イタリアとトルコといわれているが、多勢に無勢でトルコ軍にも、何ともならないのであろう。トルコは自国兵に加え、シリアで集めた傭兵も送り込んでいるのだが、成果は出ていない。

 セラジ首相側のトリポリは、ほぼ完全にハフタル軍に、包囲されており、動きが取れない状態だ。それに今回の石油輸出が、止められたことにより、セラジ政府は兵糧攻めに、遭っているということだ。

 こうした状態では、セラジ政府の余命は、長くないのではないか、もともと、国連に声をかけられて、リビアの首相になったセラジ首相には、権力の座への執着は弱かろう。トルコが乗り込んできて支援というのは、ありがた迷惑だったのではないのか。セラジ首相はトルコが来たために、停戦合意も辞任も、不可能になったのだから。

 だがこのことは、最後にはトルコに、付けが回るのではないか。リビアへの軍事支援を送っている政府は、トルコ以外にないしかも公然とだ。他の国も傭兵を送り込んいるが、それは民間の傭兵派遣会社が、派遣している形になっているのだ。

 セラジ政府が崩壊した後、欧米はこぞってトルコ政府の介入を、非難することになろう。トルコのエルドアン大統領は、結果的に何も得る事無く、リビアから手を引くのであろう。もちろん、セラジ政府との間で交わした、地中海の領海合意も、反故になろう。