『エルドアン大統領メデア非難』

2020年2月11日

 トルコのエルドアン大統領は、メデア非難を行っている、彼に言わせると、『メデアはゴミ箱だ』ということのようだ。多分に昨今のシリア戦線での、敗色の濃さを一般メデアが伝えているからでは、ないかと思われる。

 また、エルドアン大統領は国民の連帯が必要であり、そのためには正しい情報が伝えられるべきだ、とも語っている。マスコミを正しく機能させることは、国境の安全を守ることだ、という考えなのであろうか。

 これに対して、自由表現協会は、トルコでは2006年から2019年の間に、ウエッブ・サイトへのアクセスが、288310件も禁止されている、と報告している。あわせてツイッターも相当数が抹消され、2012年から2018年の間には、5099が拒絶されている、ということのようだ。

 これに対するトルコ政府の立場は、そのようなことは他国でも起こっているとし、ロシアを例に引き出している。

 トルコ軍のシリア侵攻で、実際に戦闘が始まったが、その結果、何人ものトルコ側の戦闘員が死亡しており、そのなかには、トルコ兵も含まれる。トルコ政府とすれば、戦闘の実態を、出来るだけ国民には知らせたくない、ということなのであろう。

 犠牲者の多くは、FSA(自由シリア軍)ということであり、トルコ兵たちも含まれるが、傭兵だけを前面に立てて戦うことに、限界がきたのであろうか。

 イランはいまのトルコ・シリアの戦闘いについて、結局はテロリスト・グループや、彼らのスポンサーを、助けることになる、と非難している。確かにそであろう。混沌としたなかでは、誰もが好きなことを、やれるということであろう。

 戦闘では傭兵が使われており、トルコはFSAを活用しているし、アメリカもIS('ISIL)などを活用して来ていた。古くはアメリカが使ったアフガン戦線での、ムジャーヒデーン、タリバンそしてアルカーイダも然りだ。アメリカはいまシリア戦線では、クルド・ミリシアを前面に立てて戦っている。

 いずれにしろ、今回のエルドアン大統領の発言は、シリアとの戦闘が大分、苦しいものになってきていることの、証ではないのか。