『リビアでシリア傭兵は戦闘していない』

2020年2月 7日

 意外な意見なのだが、現在リビアの攻防戦では、トルコがシリアで集めた傭兵を、トリポリ戦には加えていない、ということだ。述べるまでもなく、トリポリでのGNA(セラジ政府軍)とLNA(ハフタル軍)との攻防戦は、ある意味でリビア内戦の、天王山の戦いであろう。

 最近では、その激しさは増してきていると言われ、その後、小康状態に入った、という報告もある。それは国連の和平仲介工作と、リビアをめぐる国際会議が、連続しているからではないのか。

GNA側もLNA側も、共に国際社会での印象を、勝ち得ようと、思っているのではないか。トルコにしてみれば、このGNAのスポークスマンである、アブドルマリク・アルマダニ氏の発言は、意外ではないのか。

 このアブドルマリク・アルマダニ氏の発言は、トルコのアナドール通信社との、インタビューのなかで、語られたものだ。トルコが送ったシリアからの、傭兵はトリポリ攻防戦には、全く関与していない、ということだ。

 しかし、トルコがGNAとの合意に基づき、西リビア政府側に対して、軍事治安支援を送っていることと、地上軍を送っていることは認めている。また、一部軍事顧問がリビアに入っているが、彼らは軍事作戦には、関わっていないということだ。

 しかし、トリポリが提供したシリアの、アルカーイダやIS(ISIL)は、作戦展開に関与している、ということのようだ。これは、アソシエテド・プレスとのインタビューのなかで、語られたものだ。

 つまり、GNAとしては傭兵や軍事顧問を派遣してくれた、トルコへの配慮から、直接的に軍事作戦に、彼らが加わっていることは、認めなかったということであろう。

 トル国内では次第に増している、シリア戦線でのトルコ兵の師匠や、リビアでの作戦への拡大は。トルコ国民の間では決して、評判がよくないのであろう。そのためのトルコ政府に対する、リビア側の細やかな配慮と、受け止めるべきかもしれない