『イドリブ対応で露土関係に問題発生』

2020年2月 2日

  これまで、S400の取引などもあり、ロシアとトルコとの関係は良好だった。それはシリアをめぐる両国関係でも、協力が見られていた。ロシアはS400について、その技術移転とトルコでの生産にも、鷹揚な対応を見せていたのだ。

 しかし、ここに来てロシアとトルコとの間には、幾つもの立場の違いが、露呈してきている。リビア問題では、ロシアはハフタル将軍側を支援し、傭兵を送り込んおり、トルコとは真逆な立場に立っている。述べるまでも無く、トルコはハフタル将軍と敵対している、セラジ政府側を支援しているのだ。

 従って、今後リビアでロシアの傭兵と、トルコの傭兵が戦闘に入る事も、あるうるということだ。そうなれば、ロシアとトルコとの関係は、皆ご破算になる可能性がある、ということではないか。 

 シリアのイドリブをめぐる対応でも、ロシアとトルコは正反対の立場に立っている。トルコはいまのところイドリブについては、監視団を送っている程度だが、ロシアは軍を派兵し、シリア軍のイドリブ攻撃を支援している。

 このことに、トルコはロシアを激しく非難したが、ロシア側はイドリブでテロリスト側が、シリア軍に攻撃を加えていることを、看過出来無いと説明している。従って、ロシアはソチ合意などを守り続けている、とロシア政府のスポークスマンである、ペシコフ氏は述べている。

 トルコはこれに対し、もし、ロシアが合意違反を続けるならば、何らかの措置をとらなければならないと語り、トルコ軍とロシア軍の武力衝突の可能性を、匂わせているのだ。そうなればトルコが優位になる可能性があろう。トルコはシリアに隣接する国だからだ。

 もともと、ロシアとトルコは歴史的に、何度と無く戦争を繰り返してきた関係にあり、心の底から信じあえる関係には無い。そうした歴史的関係が、ここに来て利益をめぐって、対立色を濃くしてきている、ということであろう。

 しかし、トルコに関しては悪いニュースばかりではない。最近になって、イギリスがEUから離脱し、イギリスがトルコとの関係を強化する、動きに出て来ているからだ。イギリスもEUとの関係が断絶されたことにより、新たな友好国を作らなければならないからであろう。

イギリスのジョンソン首相は、トルコ系であるということも、関係しているのかもしれない。イギリスはEUと離れ、アメリカとの関係を再度強化しに、かかっているようであり、そこにトルコが巻き込まれるのであれば、トルコにとっては悪い話ではあるまい。ここに来て、世界の国々の関係は、大幅に再編される、ということであろうか。