『イランはウクライナ機撃墜で保障が大変』

2020年1月15日

 イラン政府は事故から数日して、ウクライナ機が墜落したのは、イラン政府軍による攻撃によるものだった、ということを発表した。これ以上黙っていても、欧米が証拠を並べ、イラン政府を追い込むことが、分かったから、撃墜を認めたのだ、ということのようだ。

 だが、撃墜を認めるということは、それだけでは済まないのは、誰もが分かっていよう。イラン政府は撃墜の責任を認めた以上、被害者やウクライナ政政府や企業に対して、その責任をとって、保障をしなければならない、ということだ。

 その合計金額は100150億ドルと言われている。イランはいまの段階では、ウクライナ政府との良い関係を、維持している。被害機はボーイングの737800だと言われているが、この機は1月の8日に撃墜されたのだ。

 犠牲者の数は176人で、その補償額合計が、100150億ドルとされているが、積載貨物の総額は、2400万ドル相当だ、ということだ。飛行機への補償額は、7000万ドルということだ。

 イランの軍部は全責任を負う、と言っており、犠牲者個人の遺族に対しては、一人8350ドルが支払われる予定だ。しかし、石油輸出がアメリカによる制裁で、思うようにいかない現在、イラン政府にとってはこの補償額は、とんでもない出費ということであろう。

 まさに弱り目に祟り目であろう。英雄スレイマーニ将軍が、アメリカ軍によって暗殺され、その後、イラン国内では、ウクライナ機撃墜に抗議する、デモが全国規模で、起こっている。

 イラン政府はいま、最も難しい局面に、立たされている、ということであろう。日本はそのイランを、どう支援してやれるのか。