『よく似ているエルドアンとトランプの政治手法』

2020年1月15日

 トルコのエルドアン大統領と、アメリカのトランプ大統領は、共通した部分を、多く持っているのではないだろうか。両者は外国に対して、恫喝的な外交を進めている。そして土足で他国に上がりこみ、勝手に軍事基地を設置し、その国に対する影響力を、強引に強めている。

 エルドアン大統領のシリア対応は、トランプ大統領のシリア対応に共通し、極めて無礼で強引なやり方、ではないだろうか。しかし、両者はきれいごとを語り、他者の反論を許さないという姿勢だ。トランプ大統領はIS(ISIL)を追放してやると言い、実はIS(ISIL)に支援を送っている。

 エルドアン大統領もIS(ISIL)対応をしてやると言い、かつ、安全地帯を構築してやると言って、シリア領土を支配下に置いている。だが必ずしも成功していないようだ。

 トランプ大統領の大言壮語の恫喝外交は、成果は挙げておらず、外国からは嫌悪され、アメリカ支持が減っている。イラクなどは露骨に『アメリカ軍は出て行け』と語り、イランはアメリカ軍が地域にいては、安定化しないと語っている。

 エルドアン大統領のリビア対応も然りで、トルコは地中海の海底石油ガス欲しさに、リビアのセラジ政府と地中海の領海合意を交わしたが、ヨーロッパ諸国の全てを敵に回し、ギリシャとは何時戦争になっても、おかしくない状態にある。

 エルドアン大統領は彼のリビア対策を、成功させるためにロシアを巻き込み、モスクワにリビアの両当事者を呼んで、和平会議を開いたが、セラジ首相はサインしたものの、ハフタル将軍はその合意書に、サインせずに帰国している。

 エルドアン大統領は誰彼構わず、彼の方針で人に声を掛け、面倒な問題に協力させようとしているが、結果は芳しいものにはなるまい。傭兵部隊ばかりではなく、早晩トルコは本格的に、軍をリビアに派兵するつもりでおり、ハフタル将軍がモスクワを離れると、彼に対して恫喝のセリフを吐いている。曰く『俺がお前を教育してやる、』だ。

 ロシアがこのエルドアン大統領の、強引なリビア対応を、支援するとは思えない。ロシアがやるのは、自国のリビアへの影響力を、保持する範囲内の対応であり、あくまでもそれは、ロシア独自の利益であり、トルコを支援するものではあるまい。

ある日エルドアン大統領はそうした外国の、冷たさに気が付き、自分が掘った墓穴に、転がり込むのではないだろうか。それはトランプ大統領の傍若無人な言動が、世界中で支持国を、減らしたのと同じだ。

 だが、問題なのは、エルドアン大統領もトランプ大統領も、一定の支持層がおり、磐石な立場と言われている点だ。アメリカとトルコばかりではあるまい。これが国家を代表する人物か、と疑いたくなるような、無礼極まりない人物が、世界中で国家の代表として、誕生している。これは末世の証なのかもしれない。