『デマ情報が世界で蔓延』

2020年1月11日

 最近どう考えても、デマだと思われるニュースが、飛び交っているような気がする。その第一は、イランから飛び発ったウクライナ機の、爆発事故だ。これは事故後、間も無くイランのミサイル攻撃によるものだ、とカナダのトルドー首相が言い出し、それをフランスのマクロン大統領や、イギリスのジョンソン首相が、支持している。

 一体彼らは、何処からそんな早い段階で、イランのミサイル攻撃説を、引き出したのでろうか。加えて、イラン製ミサイルの破片、という話まで出てきたのだからあきれる。誰がそのミサイルの破片を、現場から持ち出した、というのであろうか。

 イランがミサイルを誤射した、可能性は否定出来無いが、それがどうしてそうもうまく、当たるのであろうか。しかも、タイミングはスレイマーニ将軍の暗殺の直後だ。トランプ大統領は『スレイマーニ将軍はモンスターだ』と非難しているが、そのモンスターといわれているスレイマーニ将軍は、アフガン戦争でアメリカ側に、加担していたこともある、ということだ。

 こうした信じ難い情報を、流すことによって、スレイマーニ将軍とイランは、悪の代表というイメージが、出来上がる。それをほとんどの人たちは、信じるのであろうから、その後にイランの、悪のイメージを消し去ることは、困難であろう。情報操作による、攻撃ということだ。

 加えて、イスラエルはイランが2ヶ月で、核兵器を製造できる、という情報を流した。それはどう考えてもありえまい。イランが核兵器を持つとすれば、それは旧共産圏の国から、密輸する方法であろう。

 この嘘にはあきれたのか、あるいは補強のためか、フランスの閣僚がイランは、23年以内に核兵器を持てる、と語っている。あるいはこの発言は、イランが核を持つ意志であり、その開発に向かっていることを、印象付けるためのものであった、のではないかと思われる。イランのハメネイ師は、「イランはイスラム国家であり、核兵器を持つ気はない。」と語っている。

 このような信じ難い情報が、まことしやかに世界中を、駆け巡る時代には、その情報が常識的にありうるか、ということを、常に情報の受け手が、考えるということであろう。私は事務所を訪ねて来る人達に対して、常に言うのは『常識が最も正しい、しかし、その最も正しいはずの常識を、いまの日本人のどの程度が、持っているだろうか。』という話だ。

 加えて私がその人達に言うのは『心理が事実を曲げて、物事を受け止めさせ、その心理がとんでもない方向に、社会や国家を動かす、ということだ。従って、冷静な判断が出来る心理状態を、維持することが大切だ、とも語っている。

 日本と韓国との問題も、どちらがとは言わないが、心理的な問題が事実を歪曲し、大問題にしてしまって、いるのではないのか。その結果は、両国を危険に晒し、両国の経済を破壊する、ということだ。それを日本と韓国の国民は、お望みなのだろうか。